2010年6月24日(木)「しんぶん赤旗」

消費税増税・賃上げ凍結

英緊縮策に反発

景気回復を台無しに 国民の購買力を奪う


 【ロンドン=小玉純一】英国のキャメロン政権は22日、財政赤字削減を名目に、付加価値税率の引き上げや公務員の給与引き上げ凍結などを内容とする緊縮策を発表しました。これに対し野党の労働党はじめ、労組、反戦団体がいっせいに批判の声を上げています。

 緊縮策を発表したオズボーン財務相は「国の債務問題が欧州の経済回復にとってのリスクだ」とのべ、ギリシャのような信用不安が英国に波及する事態を回避するのが狙いであることを明らかにしました。先進国の中で最も厳しい緊縮策ともいわれます。

 これに対し労働党のハーマン代表は22日、議会での演説で、緊縮策が「景気回復を台無しにする恐れ」があると指摘するとともに、同政策は「経済に基づくのでなく、小さな政府というイデオロギーに基づくものだ」と批判しました。

 労組のナショナルセンター、労働組合会議(TUC)のバーバー書記長も、「福祉手当削減と付加価値税増税は購買力を奪う」「みんなが荷を分かちあうという内容ではない。中低所得者層には予想以上に痛手で、富裕層には安心させるものだ」と述べました。

 また市民団体の戦争阻止連合は声明で「アフガニスタン駐留英兵1万人を帰還させれば福祉を減らす必要はない。トライデント(英国の核兵器システム)を更新しなければ付加価値税を上げる必要はない」と強調しました。





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