2010年6月19日(土)「しんぶん赤旗」

金融取引税検討迫る

EU首脳会議 G20で銀行税も


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)は17日、ブリュッセルで開いた首脳会議で、ギリシャの財政問題から広がった「経済危機」への対応を協議し、金融取引税と銀行税の導入検討を26日からカナダで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で呼びかけることを確認しました。


 金融取引税は、外国為替などへの国際取引に課税し、それにより短期の投機的取引を抑制するのが狙い。「トービン税」の名で知られます。金融機関への新たな課税制度となる銀行税は、破たんした金融機関の救済・処理が目的です。

 会議はこのほか、銀行の健全性審査の実施、各国の財政規律の強化、新たな成長戦略の仕上げなどで合意。EUのファンロンパイ大統領(常任議長)は会見で、「課題は『危機』が中心だ。金融、経済、通貨の問題は終わっていない」と述べました。

 欧州の金融機関の健全性審査(ストレステスト)の実施については、「銀行の回復力と透明性を確実にする」として、審査結果を7月後半に公表する方針です。フランスのサルコジ大統領は会見で「すべての国で銀行ごとに公表する」と述べました。

 財政規律については、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%未満とするよう定めた財政協定(安定成長協定)違反への制裁を強化し、各国の予算規律と中期的な予算枠組みをEUが査定するとしました。

 首脳会議はまた、これまで検討してきた今後10年間の成長戦略「欧州2020」を最終的に採択。貧困層の2千万人削減などを目標として打ち出しました。さらにアイスランドのEU加盟交渉開始、エストニアの11年1月のユーロ導入を決めました。





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