2010年6月17日(木)「しんぶん赤旗」

証言、原爆展、各国要請…

NPT会議成功に大きな役割

核廃絶の運動さらに 被団協が総会


 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は15、16の両日、東京都内で第55回定期総会を開きました。核不拡散条約(NPT)再検討会議に対して被爆者が果たした役割と成果に確信を持ち、被爆65年の節目のことし、核兵器廃絶と原爆被害に対する国家補償を求める運動にいっそう力を尽くそうとの運動方針を決めました。


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(写真)日本被団協第55回定期総会で報告する田中事務局長=16日、東京都内

 NPT会議にむけて52人の日本被団協代表団がニューヨークに渡り、NPT会議や学校・施設での証言活動、国連本部での原爆展、各国代表部への要請をおこないました。

 基調報告に立った田中熙巳事務局長は、「被爆者の活動が高く評価され、NPT会議最終文書に大きく反映した」と強調。米国の「核の傘」による核抑止力に固執する日本政府や核保有国の姿勢をかえるため、核兵器の非人道性を日本と世界の人々に語ることが被爆者の使命だとしました。

 2009年度の活動を報告した山本英典事務局次長は、原爆症認定集団訴訟の全面解決、原告全員救済の方針に基づいて政府と確認書を取り交わし、敗訴原告救済のための基金法を成立させる成果をあげたとのべました。認定訴訟全国弁護団連絡会の宮原哲朗事務局長が特別報告しました。

 総会では、日本被団協が4月にまとめた被爆者援護法の改正要求案について改めて提案。国家補償の実現や原爆症認定制度の抜本的改善を盛り込んでおり、今秋にむけて全国で討論していくことを呼びかけました。

 総会は、原爆被害の実相普及と継承に全力をあげる特別決議を採択しました。

 選出された役員は次の通り(敬称略)。顧問=山口仙二(新)、代表委員=坪井直、藤平典、谷口稜瞱(新)、事務局長=田中熙巳(新任以外は再任)


世界励ます活動

被団協総会 志位氏がメッセージ

 日本被団協の総会には、日本共産党の志位和夫委員長がメッセージを寄せました。

 メッセージは、核不拡散条約(NPT)再検討会議で多くの被爆者が積極的に活動した姿は、核兵器のない世界のために国際政治や市民運動のなかで努力を重ねる人びとへの大きな激励だとのべています。重要な前進の一歩を築いたNPT再検討会議をうけて「すみやかな核兵器廃絶交渉の開始を求めさらに世界的な世論と運動を発展させるよう、共同の努力を強めましょう」と呼びかけています。

 また、日本政府が被爆国の政府でありながら核抑止力に固執し、米国の「核の傘」からの離脱を決断できないことこそ、被爆者の願いに背をむけ続けている根本要因だと指摘。新しい政権に対しても、核兵器廃絶と核抑止力との決別、被爆者施策の抜本的改善と国家補償の実現を求めてともに奮闘すると表明しています。





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