2010年6月16日(水)「しんぶん赤旗」

衆参代表質問で見えたもの

米・財界にモノ言う共産党こそ


 菅内閣発足を受け14、15両日に衆参本会議でそれぞれ開かれた代表質問。鳩山前政権退陣についての菅新政権の無反省、居直りぶりが明らかになるとともに、これとの対決の足場を持たない他の野党の姿勢も浮き彫りになりました。米国と財界に堂々とモノを言う日本共産党の追及とは対照をなしました。米軍普天間基地、消費税増税、社会保障の問題を中心にみてみました。


普天間基地問題

沖縄の民意受け無条件撤去主張

写真

(写真)代表質問する市田忠義書記局長=15日、参院本会議

 「『移設先探し』の果てに米国と合意した方針は、自公政権時代に戻ったというだけでなく、基地被害の分散・拡大という点でより悪い方針となった」―14日の質問で日本共産党の志位和夫委員長は、基地・訓練を沖縄県や鹿児島県・徳之島、そして全国に押し付ける日米合意を正面から批判しました。

 志位氏は、訪米しアメリカ政府に、沖縄の苦難の歴史を伝え普天間基地の無条件撤去を主張したことをふまえ、「沖縄県民の声を米国にありのままに伝えることが問題解決の出発点ではないか」と迫りました。県民の総意にそった問題解決の道を示す唯一の党ならではの追及でした。

民主 沖縄裏切り固定

自民 辺野古に執着

 菅直人首相は、鳩山前政権の副総理としての謝罪の言葉もなく、「日米合意を踏まえると同時に、沖縄の負担軽減にむけ全力を尽くす」と書かれた原稿の棒読みを2日にわたり繰り返しました。

 菅首相が野党時代、“海兵隊の沖縄からの移転”“海兵隊は抑止力でない”と主張していたことについても、「国際的状況をふまえ物事を考えるのは政治家として当然」と開き直り、「海兵隊および在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要」と変質ぶりまで示したのです。

 菅首相は、23日の沖縄戦の戦没者追悼式を機に「誠意ある話し合いを始めたい」として、「基地押し付け」交渉開始を行う計画を打ち出しました。

 自民党の谷垣禎一総裁は14日の質問で、自民党としての解決策を提示するどころか、「そもそも鳩山前総理が県外・国外に移設先を求めたことは適切だったか」と述べ、「県外・国外移設」を非難するだけ。自公時代に結んだ、名護市辺野古への新基地建設を内容とする日米合意に執着する姿勢を改めて示しました。

消費税増税

大企業減税の穴埋め許されない

 日本経団連が財政再建を口実に「成長戦略 2010」で要求した「一刻も早い消費税の引き上げ」と法人税の引き下げ。志位氏は、「価格に転嫁する力を持つ大企業は消費税を1円も負担しない。財政再建のツケはすべて国民に払え、もっと税金をまけろ、というのはあまりにも身勝手な要求だ」と厳しく批判。民主党の参院選公約に、「消費税を含む税制の抜本改正」「法人税引き下げ」が明記されると報道されているとして、菅首相のいう「強い財政」とは「大企業減税の穴埋めに消費税増税を行うという財界の身勝手に付き従うことか」と迫りました。

 市田忠義書記局長は15日、直嶋正行経産相が法人税15%削減を打ち出していることをあげ、「これによる減収はどうして埋めるつもりか」と追及。10年間の大企業減税の結果は内部留保を増やしただけだったと告発しました。そのうえで「消費税はワーキングプア、生活保護世帯、年金生活者からも有無を言わさず税金を取り上げるもの。それがどれだけ生活を破壊するか、首相には想像できないのか」とただしました。

民主 自民 増税へ協調

 自民党の林芳正参院議員は15日、同党の参院選マニフェストで消費税率10%を明記するとし、「実際に消費税は何%が適切で、どのようなタイミングで見直すべきなのか」と首相に“迫り”ました。

 菅首相は、自民党が消費税増税のために提出した「財政健全化責任法案」を参考にしたことについて「お礼を申し上げたい」と謝意を表し、「自民党が出された法案も私たちの内閣も問題意識は共有するもの」などと消費税増税の“大連立”を先取りする姿勢を示しました。

社会保障

後期医療・自立支援法… 傷跡治せと迫る

民主 自公路線そのまま 自民 “財源に消費増税”

 社会保障をめぐり、自公政治による切り捨て路線の傷跡を治すことが第一の仕事だと主張する日本共産党。「国民の生活が第一」のスローガンが消え、公約を次々と後退させる民主党政権、財源として消費税増税を迫るだけの自民党という構図が浮き彫りになりました。

 日本共産党は、志位、市田両氏とも、民主党が公約してきた後期高齢者医療制度の即時廃止を求めましたが、菅首相は「任期4年間のなかで」と繰り返すだけでした。

 市田氏は、民主党が、自民、公明両党と共同で提出した、障害者自立支援法の延命につながる法案の撤回を迫りました。同法案について、「当事者ぬきで進められた」と障害者自身が厳しく批判しているにもかかわらず、菅首相は「今後とも障害者の意見を十分聞きながら検討する」などと、実態を逆さまに描きました。

 生活保護費の老齢加算廃止についても、市田氏が福岡高裁判決をふまえ復活を要求したのに対し、菅首相は復活を否定するなど、自公政権の「傷跡」を放置する姿勢に終始しました。

 一方、自民党は谷垣総裁が、社会保障の財源論として消費税増税を政府に迫るだけ。国民生活の深刻な実態、社会保障の整備についてはいっさい触れませんでした。





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