2010年6月14日(月)「しんぶん赤旗」

テレビ朝日系番組

市田書記局長の発言

詳報


 日本共産党の市田忠義書記局長が13日、テレビ朝日系「サンデー・フロントライン」で各党幹事長らと討論した発言(詳報)は次のとおりです。


郵政民営化は見直して公共事業体として再生を

 郵政法案の取り扱いをめぐり亀井静香金融・郵政改革担当相の辞任したことが討論になり、民主党の枝野幸男幹事長は「仕切り直ししたい」と発言。自民党の茂木敏充幹事長代理は「選挙至上主義」とのべました。

 市田氏は次のようにのべました。

 市田 支持率の高いうちになんとしても選挙をやりたい、そのために早く会期を閉じて7月11日投票を守りたいという民主党と、郵政法案を何としても通したいという国民新党の思惑のぶつかり合いだったと思います。

 小泉内閣が行った郵政民営化で、国民の貴重な財産が企業に切り売りされ、サービスが低下し、地方の郵便局が撤退し、手数料が値上げされました。民営化の結果を総括し、どういう方向に持っていくのかということは、時間をかけた議論が必要です。衆院では1日6時間の議論で通されましたが、参院でも短い期間で一気にあげるということはあってはならない。

 ユニバーサルサービスをきちんと義務づけるなら株式会社化をやめて公共事業体として再生すべきだとわが党は考えますが、国民的にいろいろ議論があるわけですから、落ち着いた議論をきちんとやるべきです。

国会で審議尽くして国民の判断仰ぐべきだ

 国会の会期延長問題について野党から「首相が途中でかわったときは必ず予算委員会を開いてきた」(自民・茂木氏)などの発言があり、市田氏は次のように発言しました。

 市田 国会は会期制の原則がありますから基本的には会期を守るべきですが、会期中に総理がかわり、内閣の顔ぶれもかわった。そして直近に参院選という国民の審判の場がある。そういう場合、本会議での代表質問も(衆参それぞれ)3日間ぐらいきちんととり、予算委員会で何が争点かということを明らかにし、国民の前に判断材料を提供する必要がある。そのために会期延長をやってもきちんと議論を尽くして国民の判断を仰ぐべきです。

 鳩山さんが辞めた原因である普天間の問題や「政治とカネ」、暮らしの問題でも後期高齢者医療制度廃止はそのままになっている。派遣法改定案もザル法で、製造業にもいくらでも派遣できる抜け穴だらけ。そういう問題をきちんと議論を尽くした上で、参院選で国民の判断を仰ぐべきなのに、どうしてそんなに急がれるのか。きちんと議論をして国民に判断材料を提供するというのは、民主主義の当たり前の姿です。

消費税増税・法人税減税暮らし悪化、財政再建逆行

 菅直人首相が11日の所信表明演説で、消費税引き上げを視野に超党派の「財政健全化検討会議」を呼びかけたことについて討論になりました。

 これに関して枝野氏は「党派を超えてよく知恵を出し合っていこうという提案だ」と強調。自民・茂木氏は「この考え方は2月1日の代表質問でわが党の谷垣総裁が提案したんです」と応じ、公明党の井上義久幹事長は「協議に参加することはやぶさかではない」「消費税を含めた税制の抜本改革は必要だ」と述べました。

 市田氏は次のように批判しました。

 市田 菅首相が、所信表明でわざわざ自民党の「財政健全化責任法案」(消費税を含む)をあげて超党派でこの問題を議論しようと呼びかけたのは、結局は消費税増税の大連立をしよう、みんなで渡れば怖くない、という考えがにじみ出ていると思います。

 いま国民の暮らしは大変で、年収200万円以下のワーキングプアが1000万人を超えている。無年金者、低年金者も多い。生活保護を受けているかたも多い。そういう人から消費税をがっぽり取るというやり方は、くらしや景気をよけい悪くするものです。

 この10年間で資本金10億円以上の大企業は経常利益が15兆円から32兆円に倍にふくれあがっている。しかも、資本金10億円以上の大企業の内部留保は220兆円を超えている。法人税減税とセットで消費税の増税をという発言は閣僚からいっぱい出てきているし、財界もそういう要求です。こういうときに大企業の税金をまけてやって、その穴埋めを消費税でまかなうなんて、財政健全化にも逆行しています。





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