2010年6月11日(金)「しんぶん赤旗」

司法修習生

給費制廃止は死活問題

若手弁護士ら「ネット」設立


 国から法律家の研修を受ける司法修習生に給与が支払われる給費制度の廃止を政府が計画している問題で、存続を求める若手法律家や司法修習生、法科大学院生などでつくるビギナーズ・ネットの設立集会が10日、都内で行われました。全国から約60人が参加。

 同ネット代表の渡部容子弁護士は「法科大学院で同期や後輩が経済的に苦しむ顔をたくさん見てきました。廃止が計画されている11月を前に、最低でも凍結させたい」と訴えました。

 日弁連のアンケート調査でも修習生の53%が借金を抱え、平均で318万円にのぼります。給費制度がなくなれば、修習生や若手法律家のさらなる経済的困窮が指摘されています。

 法科大学院修了の男性は「お金がなければ、法律家を目指してはいけないのか」と訴えました。5月に司法試験を受けた女性は「母子家庭で法科大学院に進学するのは相当悩んだ。700万円の借金があるが、給費制度がない修習生になれば1000万円を超えるかも」と深刻な実態を語りました。

 日弁連の宇都宮健児会長も「金持ちしかなれない司法制度では人的基盤がゆがんだ状態になる。世論を味方に国を動かし法律を変えましょう」と発言しました。日本共産党の仁比そうへい参院議員(弁護士)のメッセージが紹介されました。

 同日夜に行われた市民団体による緊急集会にも160人が参加しました。

 集会の実行委員長(共同代表)の本多良男さんは「クレジット・サラ金被害の解決では、弁護士の手弁当の活動が大きな支えと激励になった。弁護士になったとたん、大きな借金を抱えているとなれば、弱者に手を差し伸べる余裕がなくなる」と、懸念しました。





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