2010年6月10日(木)「しんぶん赤旗」

公務員の75%がスト

財政赤字削減策に抗議

スペイン


 スペインで8日、公務員の給与削減などを柱とする政府の財政赤字削減策と「労働市場改革」に反対する全国ストが行われました。同国最大の労組・労働者委員会(CCOO)によると、全国250万人の公務員の75%(約170万人)がストに参加し、各地でデモなどの抗議行動を繰り広げました。

 二大労組と独立系労組の3組織が呼びかけた今回のストは、先月末に可決された150億ユーロ(約1兆6400億円)規模の政府の財政赤字削減策に抗議するもの。CCOOのトホ書記長は首都マドリードでの集会で、「政府が『労働市場改革』を強行するなら、ゼネストに入る」と言明しました。

 政府は、公務員給与の平均5%削減と年金受給額の凍結で、財政赤字を2011年までに国内総生産(GDP)比で09年の11・2%から6%に引き下げることを目指しています。

 ロイター通信は「5年連続で賃上げ凍結の上に、今年は5%の賃下げだ。物価上昇を考えれば、わたしの購買力は30%下がったことになる」と嘆く労働者の声を伝えました。

 「労働市場改革」も労働者の不安材料です。ユーロ圏最悪の20%に達した失業率を下げるため、政府は労働市場の弾力化を図ろうとしています。

 労組側は、経営者側が求める解雇の要件緩和や労使協議の簡素化などに反対しており、両者の交渉は不調に終わっていました。

 これを受けて政府は9日に労使双方に政府案を提示し、労使間の合意の有無にかかわらず、16日を最終期限とすると通告していました。労組側は政府が一方的に決定すれば官民労組によるゼネストで抵抗する構えを見せていましたが、CCOOのトホ書記長は8日の記者会見で、「最終段階での合意もありうる」と述べ、交渉での解決を目指す考えも示しました。





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