2010年6月5日(土)「しんぶん赤旗」

「普天間」「政治とカネ」

菅新首相、“けじめ”強調するが

辞任は“みそぎ”か


 「新しい民主党がスタートした」「本格政権を築いていく」――鳩山由紀夫前首相の後継に4日選出された菅直人新首相(民主党新代表)はしきりに“新しさ”をアピールする一方で、「『政治とカネ』の問題の一つのけじめを鳩山総理がつけていただいた」などと“みそぎ”を強調しています。3日の会見では「普天間と『政治とカネ』の問題のなかで十分に国民に伝えきれなかった。その二つの“重荷”を自ら辞めることで取り除いていただいた」とも述べていました。

公約を裏切る

 しかし、鳩山前首相、小沢一郎民主党前幹事長が辞任しただけで“みそぎ”がすんだといえるのでしょうか。

 そもそも今回の首相交代は、沖縄・米軍普天間基地問題や「政治とカネ」の問題、暮らしの問題など、あらゆる分野で国民の期待と自らの公約を裏切り続けてきた民主党政権が、国民の怒りの包囲のなかで持ちこたえられず退陣に追い込まれたからです。

 そうである以上、それらの問題にどう対処するのかが問われます。しかも菅氏は、副総理・財務相として鳩山政権を支えてきた共同責任があるだけに、その対処に重大な責任があります。共同責任を明確にしないまま、政権の表紙だけを替えただけで決着がついたとはいえません。菅氏自身、野党時代に、小泉政権以降自民党で繰り返された首相の首のすげ替えを「国民の審判を受けないで総理大臣が続けられるとは思わない」(2008年9月)と厳しく批判していました。

 ところが、菅氏が党代表選などで示したのは「鳩山代表、小沢幹事長の指導力があったからこそ私たちはいま政権の場にいる」「鳩山総理の志のバトンを継いでいこう」(4日の両院議員総会での政見スピーチ)という前政権の継承宣言でした。

 たとえば、「日本外交の基軸は日米関係。アメリカとの信頼関係をしっかり構築する」と述べ、普天間基地の「移設」問題でも、沖縄県名護市辺野古への新基地建設と全国への米軍訓練の分散・拡大を内容とする日米合意について「日米合意を踏まえる」と述べ、アメリカにモノを言う姿勢はありません。これでは国民の怒りがおさまるはずはありません。

 「政治とカネ」の問題での無反省ぶりも看過できません。「幹事長も辞任していだたく形で新しい民主党への扉を勇気を持って開いていただいた」(3日の記者会見)とし、疑惑の真相解明には一切背を向けているのです。これでいくら「クリーンな民主党」といっても、むなしく響くだけです。鳩山前首相が辞任理由にあげた普天間問題、「政治とカネ」の問題をとってもまったく“みそぎ”がつけられたとはいえません。

中身問われる

 菅氏は今後の政権運営の基本を述べるなかで、「強い経済、強い財政、強い社会保障」のため「抜本的な税制改革を含めた歳入改革を真剣に検討し、国民に提起していく」としています。これまで「増税をして、その税収の使い道を間違えなければ景気はよくなる」(4月12日、日本外国特派員協会での講演)と財界が求める消費税増税論を唱える場面があっただけに、「強い経済、強い財政、強い社会保障」の中身が問われます。

 アメリカ・財界にモノを言われる政治か、国民の立場からアメリカにも財界にも堂々とモノを言う政治か――新政権発足と参院選を目前に問われている争点です。(高柳幸雄)





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