2010年6月5日(土)「しんぶん赤旗」

米 印

初の外相級戦略対話

テロ対策核不拡散 関係強化で一致

オバマ氏 11月訪印表明


 【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官とインドのクリシュナ外相は3日、初の外相級戦略対話をワシントンで行いました。テロ対策や核不拡散問題、アフガニスタン問題などで協力を強めることで一致しました。同日、オバマ米大統領は11月にインドを訪問すると表明しました。


 クリントン氏は「われわれが直面している世界的課題は、米印間の協力がなければ、解決が難しいものだ」と述べ、両国間の関係強化で世界的課題に対処する姿勢を強調しました。クリシュナ外相は、両国間の関係を「21世紀の世界的パートナー関係」として発展させる考えを示しました。

 両氏は、テロ対策で、情報共有や軍事面での協力の緊密化で合意。貿易拡大や教育面での人的交流、原子力協定の推進などについても合意しました。

 同日発表された共同声明で、「両者は核兵器のない世界という構想を共有していることを再確認し、核不拡散問題にとりくむ決意を強調した」と表明。兵器用核分裂物質生産禁止条約(カットオフ条約)の交渉促進でも一致したとしています。

 次回の戦略対話は、来年前半にニューデリーで開催の予定です。

解説

関係どう構築

 米国とインドは、米国がブッシュ前政権下の2004年に戦略的パートナー関係を構築することで合意。オバマ政権成立後、クリントン国務長官が09年7月にインドを訪問した際、外相級の戦略対話を開始することを確認しました。

 今回の戦略対話は、米国がアジアで台頭するインド、中国とどのような関係を構築していくかという点で、注目されました。

 バーンズ米国務次官(政治担当)は同対話に先立って行われたインド政策に関する演説(1日)で、米国が対中関係、対印関係をそれぞれ深めることは対立するものではないと主張しました。

 アジア地域での国際関係の変化に対応して、米印関係では両国が「民主主義国家」として価値観を共有していることを基盤に、新しい国際秩序を形成していくことが必要との考えを示しています。

 オバマ米大統領は3日の戦略対話レセプションで、「米国とインドとの関係は、21世紀を定義づけるようなパートナー関係だ」と強調。「米印関係は、共通の価値観を共有している点で他に類がない」と述べました。(ワシントン=小林俊哉)





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