2010年6月1日(火)「しんぶん赤旗」

沖縄から米軍基地撤去しても地元経済は大丈夫?


 〈問い〉 沖縄から米軍基地を撤去しても、地元の雇用や経済は大丈夫なのですか?

 〈答え〉 沖縄の米軍基地を撤去したところでは、雇用も税収も増えており、経済振興に役立っています。

 沖縄中部の北谷(ちゃたん)町では、町民の願いで、ハンビー飛行場とメイモスカラー射撃訓練場が撤去されました。ハンビー飛行場の跡地利用として、「ハンビー・タウン」がつくられ、雇用は基地従業員だけの100人から2259人へと23倍に増え、税収は、基地の固定資産税分の357万円から1億850万円へと31倍に拡大しています。また、メイモスカラー訓練場跡地では、3563人の新規雇用を生み出し、税収は192万円から7411万円へと38倍に増えています(北谷町資料より)。

 琉球新報の前泊博盛論説副委員長は、「うるま市の天願通信所も返還後、雇用は4人から2431人と608倍に、税収は76倍となった。沖縄市の泡瀬通信所は86人から3257人と38倍の雇用増、税収は4倍」(『世界』2010年2月号)との調査結果を明らかにしています。

 実際に基地が撤去されているところで雇用や税収が増えるということが実証されています。沖縄県は「基地の返還は多額の跡地利用資金を必要とするものの、長期的には財政支出を上回る経済効果と税収が期待できる」と指摘しています。

 このことは日本国内ばかりではありません。フィリピンのスービック海軍基地やクラーク空軍基地も1991年に撤去されましたが、返還後、跡地が「経済特区」に指定され、「開発によって基地があった時よりも多い6万人の雇用を生んでいる」(北海道新聞、2月21日付)と報じられています。

 いま政府は、地方自治体に米軍基地を受け入れさせるために「アメとムチ」の政策をすすめ、「基地振興費」にばく大な国民の税金を投入しています。沖縄の名護市には、普天間基地の移設を受け入れさせるために、600億円にのぼる「北部振興開発費」が投入されました。

 しかし、市民のくらしは一向に改善されませんでした。それどころか、失業率は、10年間で10%から12・5%に上昇しました。中小企業の倒産件数も33社が廃業に追い込まれました。基地を維持したり、拡大したりしても、県民のくらし、経済の発展に役立たないことが明らかになりました。

 基地を撤去し、政府が跡地利用に経済振興費を使えば、沖縄の経済振興に役立つことは明らかです。

(2010・6・1)





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