2010年6月1日(火)「しんぶん赤旗」

介護保険“家事サービス外し”議論

社保審部会 次通常国会で改定案も


 31日に開かれた社会保障審議会の介護保険部会(厚生労働相の諮問機関)で、厚労省は来年の通常国会に介護保険法改定案を提出するため、11月をめどに同部会の意見を取りまとめる方針を表明しました。同省の宮島俊彦老健局長は介護給付費の増大に対応し、2012年度に向けて「持続可能な介護保険制度を構築する」などの課題を挙げました。

 介護保険制度は、市町村が3年を1期とする介護事業計画を立てて運営しています。12年4月は5期目の起点であるとともに、介護報酬と診療報酬の同時改定の時期でもあり、同省はこの期に大幅な制度改定を行う意向を示しています。

 同省側は、在宅介護・医療に重点を置く「地域包括ケア」の実現を強調しました。また、介護費の自然増や介護職員処遇改善交付金の期限切れ(11年度末まで)などが保険料上昇につながり、現在の平均4160円が12年度には5千円を超える可能性があると言明。「上昇抑制に何をすべきか」と述べました。

 委員からは、「(調理など)生活支援型のサービス(生活援助)をどこまで公的保険で給付する必要があるのか」(石川良一・稲城市長)、「(制度持続のため)社会保険としてまかなうべき範囲の再検討を」(久保田政一・日本経団連専務理事)など、保険給付の対象となるサービスの縮小を求める意見が続出しました。低所得者への施設居住費・食費の給付(補足給付)をやめるよう求める意見も複数出ており、サービスとりあげが懸念されます。

 一方、介護の利用者や事業者からは、「生活援助を保険給付から外してはならない」(木間昭子・高齢社会をよくする女性の会理事)などの反対意見がありました。





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