2010年5月31日(月)「しんぶん赤旗」
違法「取り調べ」告発
当事者5氏「完全可視化を」
水戸で市民集会
刑事事件の取り調べの全過程の可視化(録画し記録)の実現を求める市民集会が30日、水戸市の市民会館で開かれ、200人が参加しました。
昨年12月に最高裁が再審開始を決定し、近く水戸地裁で再審公判がはじまる布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さんを守る茨城の会と茨城県弁護士会が共催しました。
集会では桜井さん、杉山さんのほか、足利事件の菅家利和さん、氷見事件の柳原浩さん、志布志事件の川畑幸夫さんと、この間、無罪判決が確定したり、冤罪(えんざい)が明らかになった重大事件の被害者が一堂に会し、パネル討論をしました。
「(共犯者が)『吐いている』と言われ、『どうでもいい』という気持ちになった」(杉山さん)、「『やっていない』と何度言っても聞いてくれず、遅くなって、くたびれて、眠くなって、『私がやりました』と言ってしまった」(菅家さん)、「(家族からの手紙に見立てた紙を)踏まされた」(川畑さん)と、自白強要の様子をそれぞれ報告しました。
「捜査官との一問一答がずっとくりかえされる中で、詳しい供述ができあがった」(桜井さん)、「刑事に『肩の力を抜け』と言われ、ボールペンを持った手を刑事が動かし犯行現場の図面を書かされた」(柳原さん)と、無実でも詳細な供述調書がつくられる仕組みを語り、会場から驚きの声があがりました。
違法な取り調べの根絶のためには「可視化をするのは当然」(杉山さん)と、5人から共通して、全面的な可視化の実現を強く求める声があがりました。
集会では、日本弁護士連合会取調べの可視化実現副本部長の小坂井久弁護士が、日弁連の取り組みについて報告しました。

