2010年5月29日(土)「しんぶん赤旗」

NPT再検討会議

議長最終案を提示

ぎりぎりの調整つづく


 【ニューヨーク=西村央】国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議のカバクチュラン議長は27日夕、全体会合を開き、最終日の28日に採択をめざす「最終宣言」案を提示しました。中東非核化問題などでなお核保有国と非同盟諸国をはじめとする非保有国との意見の隔たりがあり、合意に向けてぎりぎりの調整が続いています。会議は28日午後(日本時間29日朝)に閉幕します。

 議長の裁定でまとめられた「宣言」案は、2000年の再検討会議で合意された核保有国が核廃絶を達成するとの「明確な約束」を再確認。そのうえで核保有国に対し、14年のNPT準備会合で進ちょく状況を報告することを求め、15年の次期再検討会議でそれを検討し、次のステップにつなげるとしています。

 核兵器廃絶をテーマとする国際交渉開始問題では、廃絶に向けた「行程表」で合意をめざす会議を14年に開催するとの当初案は削除されたままで、「核兵器廃絶を取り扱う権限を持った適切な小委員会をただちに設立する」と年次を明記しない表現にとどまりました。

 意見の隔たりが鋭く表れた中東非核地帯創設の問題では「すべての中東諸国が参加する会議を2012年に開催」することを明記しています。同問題で年次も明記した国際会議開催を「宣言」案に盛り込むのは初めて。

 また、2000年再検討会議の確認事項である「イスラエルの(NPT)条約加盟とすべての核施設を国際原子力機関(IAEA)の査察のもとに置く」ことを改めて指摘しました。しかし、イスラエルを名指しすることに米国が強く抵抗しており、エジプトを先頭とするアラブ諸国とのすり合わせに手間取っています。





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