2010年5月28日(金)「しんぶん赤旗」

核燃施設近くに活断層

六ケ所村 検証必要と研究者強調

東洋大教授


 青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設に近接する大規模な活断層の存在を認めない、日本原燃や国の評価の仕方には大きな疑問がある―。東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は26日、千葉市で開かれている日本地球惑星科学連合の大会で指摘しました。

 渡辺教授らの研究グループは2年前、施設の東側で地下の逆断層の存在を示唆する撓曲(とうきょく)と呼ばれる特徴的な地形を確認したと発表。その後、撓曲変形をもたらす活断層「六ケ所断層」の存在を指摘しました。

 六ケ所断層は、下北半島東側の海底に存在する大陸棚外縁断層の延長線上にあたり、全体で100キロメートルほどの長大な活断層を構成する可能性が高いといいます。もし全体が動けば最大でマグニチュード8級の地震が起こる可能性があると研究グループはみています。

 渡辺教授は、断層活動について、現地の写真や地形・地質断面などによる分析にもとづいて検証。「(活断層と認めない)原燃の主張は破たんしている」と述べました。

 また耐震性評価のための原燃の資料に、実際に存在しない崖(がけ)が描かれていると紹介。異なる場所での調査で得られた断面を重ねたものだと指摘し、「どうしてこれが審査を通るのか」と国の対応を批判しました。

 渡辺教授は「私たちは決して、原子力を使うなとは言っていない。(活断層と)認めるか認めないかで、地震規模はぜんぜん違ってくる。ずれによる変位も想定しなければいけない」と、科学的検証の必要性を強調しました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp