2010年5月26日(水)「しんぶん赤旗」

原爆症裁判

甲状腺低下症を認定

千葉地裁 中村さん「長かった」


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(写真)勝訴判決を喜ぶ(右から)原告の中村、岩佐の両氏=25日、千葉地裁前

 千葉県の被爆者が国に対し原爆症認定申請却下処分の取り消しを求めた集団訴訟(第2次、原告4人)の判決が25日、千葉地裁(堀内明裁判長)であり、1人について却下処分を取り消し原爆症と認めました。ほか1人の訴えは棄却しました。

 残る2人は2008年策定(09年改訂)の原爆症認定基準の「新しい審査の方針」で認定されました。国は集団訴訟25連敗となり、新基準の抜本的見直しが迫られています。

 勝訴したのは甲状腺機能低下症で認定を求めた中村恵美子さん(78)=広島、原爆投下翌日の8月7日に入市被爆=。新基準で積極認定の対象疾病とされながら未認定でした。広島の爆心地1・2キロで被爆し皮膚がんと前立腺がん(認定済み)を患う岩佐幹三さん(81)が申請した白内障については、老人性だとして放射線起因性を認めませんでした。

 立つのもやっとの体の中村さんは「今まで長かった。生きている間に判決がもらえてよかった」とコメント。

 母親を生きながらに焼かれた体験を法廷で証言し、核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた活動に参加してきた岩佐さんは「原爆被害の過少評価は原爆や核兵器容認の政治につながる。二度と被爆者をつくらず、核兵器廃絶を使命として今後も運動していく」と語りました。


新基準の見直し迫る

全国原告団が会見

 原爆症認定集団訴訟の千葉地裁判決(第2次4人)を受けて25日、同訴訟全国原告団、全国弁護団連絡会、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が厚生労働省内で記者会見しました。今回、新しい認定基準でも認められなかった原告が勝訴しており、基準の抜本的な見直しを迫る判決だと評価しました。

 会見には、千葉原告の岩佐幹三氏(81)=日本被団協事務局次長=が出席しました。

 全国原告団の山本英典団長は「中村恵美子さんの勝訴は当然だ。岩佐さんを原爆症と認めなかった判決は、被爆者の白内障発症を立証した科学的成果に目を向けないものだ」とのべ、1審未判決で未認定の原告28人の全員勝利に向けがんばると表明しました。

 全国弁連の宮原哲朗事務局長は、白内障が積極認定の対象疾病とされながら、実際にはきびしい審査が行われていると指摘し、基準運用の適否を見極め、改善を迫るとともに、原爆症認定制度を定めた被爆者援護法の改正にもとりくんでいくと語りました。

 同日、全国と千葉の原告団、弁護団、日本被団協、千葉県原爆被害者友愛会、支援団体は連名の声明を発表し、新基準とその運用の抜本的な見直しを求めました。





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