2010年5月25日(火)「しんぶん赤旗」

ナイル川問題など協議

エジプト大統領が多国間外交


 【カイロ=松本眞志】エジプトのムバラク大統領は23日、首都カイロでコンゴ民主共和国のカビラ大統領、ケニアのオディンガ首相らと個別に会談し、それぞれとナイル川の水利権問題について話し合いました。コンゴ民主共和国とケニア両国はいずれもナイル川水源国です。

 ケニアは14日、エチオピア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアなどナイル川上流域諸国とのあいだでナイル川の利水にかんする新協定を締結しました。エジプトは過去の英国との協定に基づき、スーダンとともにナイル川の取水権の9割を有し、ナイル上流諸国はエジプトの特権に異議を唱えています。新協定にはエジプトやスーダンは不参加で、エジプト政府高官は新協定を「間違った行動だ」と非難しています。

 ムバラク氏は今回の会談で、関係国との対立を避ける慎重な姿勢を示し、ナイル川のかんがいや農業への利用についてコンゴ民主共和国とケニア両国の協力を要請。水利問題での上下流の関係国全体の合意の必要性を訴えました。

 またムバラク氏は23日、パキスタンのクレシ外相と会談し、中東・アフガニスタン情勢について意見交換。イラン核問題について両者は、安保理での米提案の追加制裁域案の協議を念頭に、域内の平和と安定を前提にした友好的解決が重要との認識で一致しました。ムバラク氏はドイツのウェスターウェレ、スペインのモラティノス両国外相とも会談し、相互協力関係の強化などを確認しました。





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