2010年5月24日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPRESS

NPT再検討会議NY行動に参加

僕らが世界を動かした


 アメリカ・ニューヨークの国連本部で開催されている核不拡散条約(NPT)再検討会議(5月3日〜28日)の成功に向けて、唯一の被爆国・日本から多くの若者が参加しました。東京商工団体連合会の代表として参加した小林秀一さんのリポートを紹介します。


東京商工団体連合会

小林秀一さんリポート

写真

(写真)海外の青年たちといっしょに。右端が筆者の小林秀一さん

 NPT再検討会議の成功に向けて4月29日から5月5日まで、各国の人たちと取り組んだニューヨーク行動に参加してきました。日本からは、青年を含む1500人以上が行動に参加しました。

 行動期間中はどこを歩いていても日本の代表団が路上で署名宣伝を行っていました。

 私の班はセントラルパークで原爆パネルを並べ、原爆展を行いました。散歩やジョギングをしている人が立ち止まりパネルを見て、署名してくれました。

独の青年と

 NPT再検討会議が開幕する3日には、朝から国連前でドイツと日本の青年が一緒に宣伝をしました。

 行動期間中に、日本の代表団は1万人分の署名を集めました。

 開幕前日の2日にタイムズスクエアで行われた「核兵器のない世界のための国際行動デー」には、1万人が集まりました。

 私は日本から持っていった原爆の組み写真をそこに集まった海外の青年たちに渡し、「あなたの周りの人たちにヒロシマ・ナガサキのことを伝えてください」とお願いしました。

 みんな喜んで受け取ってくれました。

 国連の近くのハマーショルド広場に向けてパレードしました。日本の青年たちも着ぐるみや浴衣を着たりして目立っていました。このパレードで世界がひとつになって核兵器廃絶を訴えていることを実感できました。

 パレードの最後に、NPT再検討会議のリブラン・カバクチュラン議長とセルジオ・ドゥアルテ国連上級代表(軍縮担当)に署名を渡しました。

 その数なんと690万人分!

願い届いた

 翌日、NPT再検討会議の開会あいさつでカバクチュラン議長は「私は昨日、署名を受け取りました。市民社会の熱意に私たちは応えなければなりません」と発言しました。

 「ついに、私たちの願いがNPT再検討会議に届けられた。私たちの運動は確実に世界を動かしつつある」と感激しました。

 4月30日から2日間、各国の人たちが集まり、国際平和会議が開かれました。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も出席し、「重要なのは、権力者のメッセージではなく、むしろ民衆の側からの運動です。どうか行動し続けてください。私たちは必ず核兵器をなくすでしょう。それを達成するのはみなさんのような人々のおかげであり、世界はみなさんに感謝するでしょう」と語ってくれました。

 4日、「核兵器なくそう世界青年のつどいinNY」が開かれ、300人の青年が集まりました。被爆者の貞清百合子さんが被爆体験を証言し、みんなで語り合いました。

 海外の青年たちが日本の運動を大変評価していることがわかりました。私たちの頑張りが世界の運動を励まし、世界を動かしていることを確信しました。

最後の世代

 私は4年前から被爆者を訪問して被爆体験を聞いてきました。そのなかにはすでに亡くなった方もいらっしゃいます。私たちは被爆体験を聞くことができる最後の世代だといわれています。だからこそ、私たちが核兵器を無くす世代にならなくてはいけません。そして私たちの次の世代に核兵器のない世界を渡しましょう。


参加した青年の思い

 ニューヨーク行動に参加した青年に感想を寄せてもらいました。

被爆者の思い引き継ぐ

長崎民医連 大浦診療所勤務 岩崎絵里香さん(26)

 私が働いている大浦診療所は外来患者さんの約7割は被爆者で、日々の会話の中で被爆の実相をうかがっています。核兵器廃絶は被爆者共通の願いだと感じています。

 ニューヨークのパレードでは、周りは海外の方ばかりでしたが、誰もが「広島・長崎を繰り返さない、二度と被爆者をつくらない!」と訴えていました。

 世界がここまで変わったのは、何より日本の被爆者たちの「世界中の誰にもこんなつらい目にあわせたくない」という声があったからだと思います。

 これからどんな困難があっても私たちが被爆者たちの思いを引き継がなければならないと強く思いました。

教え子のために伝える

全教千葉教職員組合青年部長 矢澤 真実さん(29)

 国際平和会議には、さまざまな国の人が参加していました。

 核兵器を保有していたり、「核の傘に守られている」と考えていたりする国の中で、それでも核兵器を廃絶しようと頑張っている人がたくさんいることに驚き、やはり、被爆国である日本は核兵器も戦争もない世界を目指す先頭に立たなければと思いました。

 教え子や周りの大切な人たちがこれからも人間らしく平和に暮らせるように、学校現場や地域で私なりに平和への思いを伝え、広げていきたいです。


お悩みHunter

体がきつそうな母。不安いっぱい

  私の母(50)はホームヘルパーをしています。父親は私が小学生のころにいなくなりました。私と妹を1人で育ててくれた母は、最近、体がきつくなってきたようで、家に帰ってきてもすぐに横になってしまいます。母は、心配しないで高校は続けるようにと言いますが…。まじめに働いても少しも楽にならない。不安でいっぱいです。(17歳、女性)

思いにこたえ高校は続けよう

  17歳のあなたを不安にさせてしまう社会をつくり出している有権者のひとりとして本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。これは政治の責任です。

 あなたのように不安を率直になげかけてくれる方々のおかげで、状況は変わりつつあります。

 今年4月から公立高校の授業料無償化が始まりました。私立高校の無償化はまだですが、無償化に向けて運動を大きくしてゆく流れもあります。私も署名活動に取り組んでいます。

 ひとり親で子どもを育ててゆくことは本当に大変です。あなたはそんなお母様のご苦労がわかるからこそ、お母様や家族みんなの健康と暮らしが心配なのですね。

 まずは、お母様の負担をできるだけ解消するために、あなたと妹さんができる範囲で家事を分担したり、自治体の健康診断や検査の情報を入手したりして、家族みんなで支え合ってゆける方法を見いだしてはどうでしょう。

 私も子どもの親です。親として何よりもの幸せは、子どもが健康で幸せに成長してくれることです。

 お母様の思いにこたえ、どうか高校は続けてください。

 そして、しっかり学んで、主権者の1人として、まじめに一生懸命働いても少しも楽にならない社会ではなく、だれもが心身ともに豊かに暮らせる社会を、いっしょに切り開いてゆきましょう。


舞台女優 有馬 理恵さん

 「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。





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