2010年5月21日(金)「しんぶん赤旗」
塩の安定供給 背向ける
「事業仕分け」 第2弾後半始まる
政府の行政刷新会議は20日、公益法人を対象とした「事業仕分け」第2弾の後半作業を始めました。25日まで。
塩事業センターが行っている生活用塩供給業務。専売制度廃止後も、全国どこでも公平に低廉な価格で生活塩を安定供給するとともに、緊急時に備えて備蓄も行っており、現在も消費量全体の4割を担っています。
これに対し仕分け人は「供給も備蓄もやる必要がない」「民間市場を混乱させる」などとして国の責任を投げ捨てる議論に終始。備蓄水準など事業の見直しを決めました。
地方空港問題
ムダな地方空港建設に関して、航空輸送技術研究センターが行っている航空需要予測が取り上げられ、「予測と実績が大きくかい離している」との指摘が出され、事業の縮減を決めました。
センターから「どのデータを選択するかは発注者(国交省)が決めている」と国の責任に言及する発言が出ましたが、仕分け人から国の責任を指摘する発言はなく、「予測が外れた場合のペナルティーを設けるべき」だなどと的外れの意見が出るだけでした。
基地騒音対策
防衛施設周辺整備協会が行っている、米軍基地や自衛隊基地周辺住民に対する防音工事の支援(対象59万世帯)については、「(申請は)住民本人でできる」などとして廃止と結論づけました。
原発押し付け
原発を住民に押し付けるための雑誌広告事業(日本立地センター)と、青森県の六ケ所村の核燃料サイクル施設もんじゅの見学事業(日本原子力文化振興財団)も取り上げられました。
経済産業省の担当者は、女性誌への広告掲載について「原発について女性は関心が低いので、広告をのせるニーズがある」と発言。仕分け人からも「原発の広報は重要」「もっと効果的に」との意見が出され、この事業は廃止するものの新たな事業を求めました。
空港環境整備協会が行っている空港駐車場事業収入を活用した環境対策事業(騒音測定機整備、緑地整備など)については、「騒音対策は国がやっているので必要なのか」などの意見が出され、事業は協会に委託せず別の手当てをすることや、駐車場事業についても滑走路やターミナルなど空港の一体的運営のなかで見直しを行い、剰余金は国庫に返納することを求めました。

