2010年5月12日(水)「しんぶん赤旗」

東京・大田区の中小企業直接支援

“助かった”7割

利用者「廃業の瀬戸際脱した」

不況打開実行委 アンケート調査


写真

(写真)ものづくりの町、東京・大田区での金属加工作業

 東京都大田区が1月から3月にかけて実施した中小企業への直接助成をする「ものづくり経営革新緊急支援事業」。不況打開大田区実行委員会がアンケートをしたところ、助成を受けた多くの中小企業が「助かった」と回答し、直接支援が有効に働いていることが分かりました。

 同支援事業は、大田区内のものづくり中小企業(主として製造業を営む企業)が課題解決、業務改善、新事業展開などで策定する経営革新計画に対して、実施にいたるまでの支援と経営力向上を応援するというもの。

 具体的には中小企業診断士など専門家を派遣し相談を受ける経営革新計画策定支援事業と、助成金を給付する経営革新計画実施支援事業です。前者は派遣費用を区が負担、上限5万円。後者は助成対象経費の半分以上を区が負担、上限50万円までの直接支援です。

 1月から3月まで申請を受け、実施しました。町工場を中心に合計99社が利用しました。

 経済危機のもと中小製造業の仕事が大幅に減り、自治体による直接支援を求め運動してきた不況打開大田区実行委員会(民主商工会、労働組合、日本共産党地区委員会などで構成)が事業実施後にアンケートを実施。支援事業を利用した結果について聞いたところ、回答のあった7割の会社が「利用してよかった」と答えています。

 その内容は「社長に変化が出て元気に。仕事が出て廃業の瀬戸際を脱出した」(印刷機械部品製造)「直接助成は非常に助かった。区の担当者も好意的だった」(機械加工)「申請許可されたのと同時に仕事が増加、いい経験になった」(生活用品製造)などです。

 また「業種の拡大、助成額の増額を」「新年度もやってほしい。予算も増やしてほしい」と再度実施を求める意見も多く寄せられています。「区の対応が良い」との回答も寄せられています。

 一方、改善を求める意見の多かったのが、「書類が煩雑で作成がたいへんだ」と手続きの簡素化を求める声です。10社以上からありました。

 長年、区内の町工場の実態を見てきた不況対策実行委員会の馬場良彰さんは「支援事業は『大田区の工場集積を守れ』の中小企業家、労働者の運動の成果として実現しました。アンケートの結果は直接助成が有効であることを示しています。支援事業の継続を望みたい。同時にいま、工場家賃の助成など固定費補助が緊急に求められています。実現へ運動を強めていきたい」と語っています。





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