2010年5月3日(月)「しんぶん赤旗」

志位委員長、各国代表と会談

新アジェンダ連合のスウェーデン 非同盟諸国のキューバと

ニューヨーク


 【ニューヨーク=西村央】4月30日午前ニューヨーク入りした日本共産党の志位和夫委員長は、同日午後、核不拡散条約(NPT)再検討会議で重要な役割を果たしてきた「新アジェンダ連合」のスウェーデンと、非同盟諸国会議の前議長国キューバの国連代表部を訪問し、NPT再検討会議に向けての日本共産党の提案を説明しながら、会議成功のための意見交換をおこないました。


2000年NPT合意からさらに新しい一歩を

―スウェーデン

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(写真)ピーター・エリクソン参事官(左)と会談する志位和夫委員長=4月30日、ニューヨーク

 スウェーデン代表部の核軍縮問題担当のピーター・エリクソン参事官との会談で志位委員長は、核保有国による核兵器廃絶のための「明確な約束」という2000年NPT再検討会議の成果に貢献した「新アジェンダ連合」とスウェーデンの重要な役割に触れました。

 日本共産党が今回のNPT再検討会議成功のために重要だと考えている二つのポイント(1)核保有国による核兵器廃絶の「明確な約束」をはじめ2000年再検討会議での13項目の「実際的措置」の合意を再確認し、それを土台にさらに前進を積み重ねること(2)核軍縮のための部分的措置と一体に、それと並行して、核兵器廃絶そのものを主題とした交渉を開始すること―を説明しました。

 エリクソン参事官は、「2000年の到達点は高い峰だがそれを超えるところに到達するよう努力したい」と表明。核兵器廃絶交渉を始めるという点についても「大事なことであり、われわれもその目標を共有していきたい」との見解を示しました。

 エリクソン参事官はさらに、米ロの新核軍縮条約など戦略核兵器削減では前進があるものの、欧州では戦術核兵器についても大きな懸念があり、「NPTでもこれに手をつける必要があります」と強調しました。

 志位委員長は、「米国の戦術核兵器が配備されている西欧諸国でその撤去を求める動きがあることは、たいへん重要だと思います」と述べ、日本でも戦術核兵器持ち込みの「日米核密約」が問題になっていると説明。「核兵器のない世界」にすすむためには、「核抑止、『核の傘』という考え方から脱却する必要があります」と述べました。

 エリクソン参事官は志位氏の指摘に「全面的に賛成します」と表明。「核を持つことによる安全保障は、他国にも核を持つ口実を与えます。核抑止は、冷戦の時代にはその論理があったかもしれませんが、その終結後、再考の時期に来ています」と述べ、スウェーデンが自国の核兵器開発計画の破棄を決定した際の論議について説明し、「決定は正しかったと確信しています」と語りました。

核兵器廃絶に向けた交渉開始の合意を

―キューバ

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(写真)ロドルフォ・ベニテス・ベルソン大使(左)と会談する志位和夫委員長=4月30日、ニューヨーク(林行博撮影)

 キューバのロドルフォ・ベニテス・ベルソン国連大使との会談では、核兵器の完全廃絶に向けた交渉を開始することの重要性が焦点となりました。核軍縮の部分的措置と一体に、この交渉を進めることの必要性、そのこと自身が部分的措置の合意を促進するということで、意見が一致しました。

 志位委員長が、今回のNPT再検討会議で、2000年の再検討会議の合意にさらに新しい一歩を加えること、核廃絶交渉開始の合意を築くことが重要だと考えると述べると、ベルソン大使は「全面的に賛成です」と表明しました。

 ベルソン氏は同時に、「明確な約束」をめぐって、いくつかの国では核兵器廃絶の交渉開始のためには十分な条件が必要で、とくに「核不拡散」を条件としてあげている現状にふれました。また2025年までの核兵器廃絶という非同盟諸国の構想を説明しました。

 志位氏は「段階論ではなく、核軍縮の部分的措置の推進と核廃絶交渉の開始を一体に、同時並行で進める必要があると思います。なぜ核拡散が止まらないか。その根源には核兵器大国が核兵器を持ち続けていることがあります」と述べ、核保有国が廃絶交渉を始めることが、核不拡散にとっても重要だと強調しました。

 さらに、核兵器廃絶にいたるプロセスについてはさまざまな提案がなされているが、まず核廃絶交渉―核兵器廃絶を主題とし、この目標にいたるプロセスを検討する交渉―を開始する政治的合意をつくることが大切ではないかと述べました。

 ベルソン氏は、志位氏の示した今回NPT再検討会議の成功に向けた日本共産党の提案について「簡潔で必要なポイントが明確に示されています」と賛成し、「非同盟諸国の同僚にも紹介したい」と表明しました。





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