2010年5月3日(月)「しんぶん赤旗」

核廃絶 交渉始めよ

国際平和会議 全世界の政府に訴え


 【ニューヨーク=行沢寛史】核不拡散条約(NPT)再検討会議にむけた国際共同行動の一つとして、ニューヨークで開かれていた非政府組織(NGO)による国際平和会議は1日、すべての核兵器を2020年までに禁止する核兵器条約の交渉を開始するようすべての政府によびかける声明を採択して、閉幕しました。


 この日の閉会総会には、世界各国の代表1000人が参加。潘基文(パンギムン)国連事務総長が演説し、広島市の秋葉忠利市長らがあいさつしました。長崎市の田上富久市長が紹介され、セルジオ・ドゥアルテ国連上級代表(軍縮担当)が参加。日本共産党から志位和夫委員長、笠井亮衆院議員、井上哲士参院議員が参加しました。

 同日午後の全体会で発言した日本原水協の高草木博事務局長は、「日本の運動、とりわけ被爆者にとって、核兵器のない未来のためにアメリカの友人とともに行動できることは長い間の夢でした」とのべました。2000年のNPT再検討会議の最終文書で核兵器保有国に「自国の核兵器の完全廃絶」を義務づけたことにふれ、「3日から始まるNPT再検討会議が達成すべきことは、その義務を果たし、現実に核兵器のない世界に変えることだ」と強調しました。

 そのうえで、オバマ米大統領の「核兵器のない世界を追求する」との約束を歓迎し、その実行を支援すると表明。そのために「もっとも大事なことは、核兵器の禁止を求める世論を圧倒的に強めることだ」と強調し、「道理を示すことによって世論の中で好核・非核の力関係を変えることができる」として、「核兵器のない世界を」の国際署名をともに集めることをよびかけました。

 この日は核兵器廃絶や平和などの分科会もありました。「グローバル・ヒバクシャ」の分科会では、日本をはじめマーシャル諸島やアメリカなど、6人の原水爆被害者が体験や実態を証言。広島で被爆した嘉屋重順子さんは、2人の姉を亡くしたことにふれながら、「原爆の恐ろしさは、時間がたってから病気を引き起こし、子や孫の世代まで放射線障害が起こる危険性があることです」と話しました。

 アメリカのビキニ環礁でおこなわれた水爆実験(1954年3月1日)で被ばくした「第五福竜丸」の乗組員、大石又七さんは、「恐ろしい核兵器は絶対になくさなければいけない」と訴えました。





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