2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」

派遣法改定案 使い捨て温存 二つの大穴

「正社員が当然」のルールを

衆院本会議 高橋氏が抜本修正要求


 「紙切れ一枚で首を切られる派遣の働き方を抜本的に改め、『正社員が当たり前』のルールを確立すべきだ」――。政府の労働者派遣法改定案が16日、衆院本会議で審議入りし、日本共産党の高橋ちづ子議員は問題点を正面からただし、抜本的な修正を求めました。(質問全文)


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(写真)労働者派遣法改定案にたいして質問する高橋ちづ子議員=16日、衆院本会議

 高橋氏は、法案の製造業派遣や登録型派遣の「原則禁止」には二つの“大穴”が開いており、「まさに派遣労働『原則容認』法案といわざるをえない」と追及しました。

 鳩山由紀夫首相は、「行き過ぎた規制緩和を適正化することは大事だ」とのべる一方で、「派遣労働が一定の役割を果たし、ニーズが存在していることも事実だ」などと改定案を正当化しました。

 高橋氏は、製造業派遣で禁止の例外とされる「常時雇用する労働者」には、1年以上の雇用見込みがあれば短期雇用も含まれるという問題を追及。長妻昭厚生労働相は「常時雇用の定義の変更は考えていない」などと答弁し、短期雇用の繰り返しでも常用雇用とみなすことを認めました。高橋氏は「製造業派遣はきっぱりと禁止すべきだ」と主張しました。

 また、登録型派遣の禁止の例外とする専門26業務に従事する労働者の半分近くが「事務用機器操作」であり、パソコンでの作業を含むことを口実に「名ばかり専門業務」が横行していると指摘。「専門業務を厳格に絞り込むべきだ」と迫りました。

 「原則禁止」の最長5年の先送りのほかにも、重大な改悪点や後退内容があると指摘。違法派遣があった場合、派遣先が直接雇用を申し込んだとみなす「みなし」規定について、派遣先が違法を「知らなかった」といえばすまされかねない内容であることを批判しました。

 その上で、国会審議にあたっては、「『派遣切り』にあった当事者をはじめ、国民の声を十分にくみ上げるべきだ」と強調。抜本的な修正を求めました。





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