2010年3月24日(水)「しんぶん赤旗」

自民党、解体過程の始まり

離党者や「新党結成」のかけ声


 鳩山邦夫元総務相の離党(15日)から1週間。鳩山氏の行動に続く動きもなく、「一人旅」の様相ですが、自民党の動揺はつづいています。谷垣禎一総裁は、なんとか求心力を取り戻そうと、4月1〜2日に両院議員懇談会を開催する予定です。しかし、離党する側も、引き締めをはかる側も、これまでの自民党政治への反省はなく、政治を悪くする方向での政権攻撃に終始しています。

逆流させる流れ

 離党した鳩山氏は、民主党政権にたいして「社会主義的色彩が強いバラマキ、外国人参政権、夫婦別姓など教育もぐちゃぐちゃになり、国が滅びの道に入っている」などと政権が民意に押されてすすめる政策を攻撃しています。また、日本の侵略戦争を美化・肯定する「靖国」派の平沼赳夫元経済産業相(無所属)について「7、8割考え方は同じ」として、連携を希望する姿勢を示すなど、政治を逆流させる流れにあります。

 谷垣氏の方も、高校無償化法案について、「過度の平等主義だ」(16日)と攻撃。同党が12日にまとめた「財政健全化責任法案」では、消費税増税を主張しています。1月の党大会でも民主党政権の子ども手当や高校無償化政策を「自立心を損なう社会主義政策」と非難し、「自民党の理念や政策に間違いがあったというよりも、長年政権与党であったおごりと、過去の教訓が生かされないままの党運営」などが問題としていました。

 鳩山氏が連携を期待している自民党内の反執行部派も事情は同じです。与謝野馨元財務相は、『文芸春秋』4月号に「新党結成へ腹はくくった」とする論文を発表しましたが、そこでは「『新党』には、二つの命題がある」として、「国際競争力を将来にわたって強化・向上させ、富を増やして豊かさを維持していく」「経済を下支えする国の財政を再建する」ことを提言。大企業応援の「成長戦略」を続け、国民には消費税増税をおしつけようとしています。また、日米軍事同盟強化の方向も示されています。与謝野氏は、それを「日本復活」といいますが、「自民党政治復活」にすぎません。

反省のないまま

 与謝野氏に近いとされ、幹事長代理を辞任した園田博之衆院議員は「仮に新党をつくったとしても、なおかつ自民党が強くなってくれないと困る。民主党の第一対抗勢力だから。自民党を弱めたのでは意味がない」(「毎日」17日付)と述べています。

 結局、「政界再編」や「新党結成」などといっても、それまでの自民党政治にはなんの反省もなく、看板だけ変えようというものにすぎません。その意味では、自民党「再編」であり、解体過程を一歩すすめるものです。





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