2010年3月19日(金)「しんぶん赤旗」

NPR(核態勢見直し)1カ月内に発表

米国防総省


 【ワシントン=小林俊哉】策定が遅れているオバマ米政権の「核態勢見直し(NPR)」報告が、1カ月以内に発表される見通しとなりました。国防総省のミラー筆頭副次官(政策担当)が明らかにしました。NPRは、今後5〜10年間の米核戦略の基本となるものです。今月1日が議会への報告期限でした。

 ミラー氏は16日に開かれた米下院軍事委員会の戦略軍小委員会で、NPRには、安全で効果的な核戦力を維持しながら、防衛政策の中で核兵器の役割を低下させる具体的な措置が盛りこまれると主張。提出が遅れている理由について、国防総省側で最終的な調整にもう少し時間がかかると判断したためだと説明しました。

 同氏は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、核搭載可能爆撃機からなる攻撃能力の「3本柱」が、今回のNPRでも維持されると指摘。これまでに策定が終わっている部分については2011会計年度(10年10月〜11年9月)予算案にすでに反映されているとして、国家核安全保障局(NNSA)の予算を13%増やすことなどをあげました。

 8年に1度行われるNPRの策定が遅れていることをめぐっては、生物・化学兵器による攻撃に核兵器で反撃するかどうかなど、核使用の条件について、政権内で意見が分かれていることが、メディアで指摘されています。一方で、核先制不使用宣言を盛り込まないことでは、一致しているといわれています。



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