2010年3月10日(水)「しんぶん赤旗」

高校無償化

公私格差の是正必要

衆院委で参考人質疑


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(写真)質問する宮本岳志議員=9日、衆院文部科学委

 高校無償化法案の参考人質疑が9日、衆院文部科学委員会で行われ、7人の参考人が意見陳述しました。高校授業料を無償化する方向性を支持しつつ、公私間格差などを懸念する意見が多く出されました。

 日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長は、公立高校では授業料を徴収しないのに、私立高校生には授業料負担が残り格差が広がることや、低所得者への就学支援金上乗せには課税証明書提出が必要で、事務の大半は私立高校に回ってくることなどを指摘。手続きの簡素化も必要だと述べました。

 千葉大学の三輪定宣名誉教授は、教育無償化への第一歩を踏み出したことは記念すべきだが、公立高校でも授業料以外に学校教育費などさまざまな負担が残っており、国際人権規約でうたわれている無償教育としては不十分だと述べました。

 日本共産党の宮本岳志議員は「貧困と格差が広がる中で授業料以外の負担をどう減らしていくかが課題。どう思われるか」と質問。三輪氏は「低所得の子どもの学習権を保障することに正面から向き合い、教育の機会均等のグランドデザインを描くときだ」と答えました。

 また宮本氏は、「特定の国籍の子どもが通う学校を排除する動きがあってはならない」と述べ意見を求めたのに対し、三輪氏は「世界の国際法規はあらゆる差別を禁止する流れを強めている。民族差別を是認するようなことがあってはならない」と発言。全国専修学校各種学校総連合会の菊田薫事務局長も「法の趣旨からいっても対象になると思う」と述べました。



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