2010年3月3日(水)「しんぶん赤旗」

小児救急パンク状態

都議会代表質問 清水氏、3病院存続迫る


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(写真)代表質問する清水ひで子都議=2日、都議会本会議

 日本共産党の清水ひで子東京都議は2日、都議会本会議で代表質問に立ち、3環状道路など大型開発やオリンピックの名による無駄遣いをやめ、都民の暮らしと福祉を充実するよう石原慎太郎知事に迫りました。

 清水氏は、石原知事が都立小児総合医療センター(府中市)を1日に開院した代わりに、八王子、清瀬、梅ケ丘の都立3小児病院の廃止を16日に強行しようとしていることを批判し、病院存続を要求しました。すでに3小児病院の病棟の縮小、外来の閉鎖で地域医療の小児救急や小児精神科医療が大後退し、NICU(新生児集中治療室)の空白が生じていると指摘しました。

 清水氏は、都が清瀬小児病院の代替としている多摩北部医療センターは混雑し電話もつながりにくく、診察は100人待ちと言われるなどすでにパンク状態、八王子小児病院の代替としている二つの大学病院も2月末まで救急患者を受け入れられない時間帯が生じていると指摘。「小児病院廃止で空いた小児救急の穴は、小児総合医療センターができても解決しない」と批判しました。

 清瀬、八王子の小児病院廃止で生じるNICUの新たな空白地域の穴をどう埋めるのか示さずに、廃止することは許されないと追及しました。

 児童精神科の専門医療機関が少ないなかで、梅ケ丘病院がある世田谷区内のクリニックでは昨年夏から患者が増え始め、受診まで半年待ちという事態を示し、「3小児病院を存続しつつ、小児総合医療センターの診療規模を段階的に広げていくべきだ」と求めました。

 石原知事は、医師不足を理由に統廃合を合理化しました。

 清水氏は再質問で「医師不足を口にするが、都立病院再編の理由は財政問題にあると、知事の諮問文にも書いてある。要はお金を出したくないということ」「医師不足が打開できても、地域に病院がなければ地域医療の立て直しはできない」と指摘しました。



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