2010年3月2日(火)「しんぶん赤旗」

介護療養病床の全廃計画

“難民”生む施策中止を

穀田議員が追及 首相「見直す」


 日本共産党の穀田恵二議員は、1日の衆院予算委員会で、特別養護老人ホームに入れずに入所待ちの人が42万1259人もいる深刻な実態を示し、「行き場のないお年寄りをなくすことは緊急の課題だ」と正面から政府に迫りました。この中で鳩山由紀夫首相は、新たな介護、医療難民を生み出す療養病床廃止について見直す考えを表明しました。

 穀田氏は、特養ホーム待機者が昨年12月の厚生労働省調査で、42万1259人と前回06年調査より約3万6000人増え、さらに待機者には優先的に入所できるはずの要介護5、4の人が18万人もいると指摘。「この深刻な実態をどう解決するのか」と、政府の対応をただしました。

 鳩山首相は「一刻も早く入所できるようにしたい」と答えました。

 穀田氏は、これ以上特養ホーム待機者を出さないためにも、介護療養病床を2012年度までに全廃させる計画とリハビリ患者を90日で病院から追い出す施策を中止することを要求しました。

 鳩山首相は、「この問題は深刻に見直していかないといけない。その方向でいま努力をしていきたいと考えている」と述べました。

 穀田氏は「介護、医療の基盤整備をしっかりやる政策に転換することこそ『政治を変えたい』という国民の願いに応えることだ」と政府に迫りました。


 療養病床 主として長期にわたり療養を必要とする患者のための病床群で、医療保険対象の「医療療養病床」と介護保険対象の「介護療養病床」があります。2006年に自公政権は、12年度までに医療療養病床を25万床から15万床に削減し、約13万床の介護療養病床を全廃することを決めました。世論の反発を受けて08年、医療療養病床については22万病床残すと変更しました。



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