2010年2月27日(土)「しんぶん赤旗」

生活保護の審査請求

裁決の遅延は違法

秋田地裁


 生活保護の審査請求で、法の定める50日以内を超えて146日過ぎても裁決しないのは違法として、秋田県能代市の女性(64)が県を相手取り「不作為の違法確認」を求めた訴訟の判決言い渡しが26日、秋田地裁でありました。鈴木陽一裁判長は、提訴後に知事が容認裁決したので「訴えの利益が失われた」として請求を「却下」した上で、同裁判で争点となった訴訟費用については「被告の負担とする」と原告の主張を全面的に認める判決を出しました。

 生活保護の審査請求裁決遅延の「不作為の違法確認」を求めた訴訟は全国で初めて。

 県は、行政不服審査法の手続きを行えば「91日かかる」と法を無視する主張を繰り返しました。

 判決は、「審査請求人の生存権を実質的に確保することを目的」に「生活保護法は各種手続きを行った上でなお50日以内の裁決を求める」とし、相当の期間経過は「特段の事情がない限り、行政庁の不作為は違法となる」と断じました。

 判決後の報告集会で女性の審査請求代理人の鈴木正和・県生活と健康を守る会連合会会長は、生活保護の審査請求での違法状態の常態化を指摘し、「泣き寝入りしない権利を守る、注目される判決だ。全国的に大きな意味がある」と強調しました。

 原告の女性は、「(いい判決で)心、うきうき。ほっとしました」と話しました。



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