2010年2月9日(火)「しんぶん赤旗」

小沢氏疑惑解明へ 国会の出番

石川議員とともに証人喚問を

NHK「日曜討論」 笠井氏が発言


 日本共産党の笠井亮衆院議員は7日、NHK番組「日曜討論」に出席し、民主党の小沢一郎幹事長の現・元秘書3人が起訴された土地購入をめぐる事件など「政治とカネ」の問題について与野党代表と討論しました。小沢氏の不起訴をもって疑惑の幕引きをはかろうとする与党側に対し笠井氏は「一件落着ではない。国会の出番だ。小沢氏の政治的道義的責任を含め真相を究明する必要がある」と、あらためて証人喚問を含む小沢氏らの国会招致を主張しました。

 小沢氏の元秘書で会計事務担当だった石川知裕衆院議員らが政治資金収支報告書の虚偽記載で起訴されたことに関し、民主党の海江田万里政治改革推進本部事務局長は「小沢幹事長のような場合の(多忙な)日程では報告書をきちんと見ることは非常に難しい」などと述べ、小沢氏の関与を露骨に否定しました。

辞職だけでは疑惑にふた

 これに対し笠井氏は3人の現・元秘書が、うその報告をしたと起訴されただけでも小沢氏の監督責任は大きいと強調。「それを小沢氏自身が指示したのか、共同で行ったのかについて(検察の判断は)『嫌疑不十分』であって嫌疑『なし』ではなく『あり』ということだ。(土地購入の)4億円の原資の一部に『天の声』で公共事業を受注したゼネコンからの税金が流れたとの疑惑もある。それをきちんと明らかにする必要がある」と指摘しました。

 自民、公明、みんなの党の3党が共同提出した石川議員の議員辞職勧告決議案の対応を問われ、笠井氏は「秘書の時代とはいえ、法律違反をやった人が議員になったわけだから、その資格自体が厳しく問われる。その責任を明らかにするうえでも、国会で証人喚問をして説明してもらう。それなしに議員辞職したら終わりだとなれば、結局、真相究明にふたをしてしまうことになる」と発言。海江田氏が「もっともだ。予算委員会の中でも議論していただければいい」と答え、笠井氏は「きちんと証人喚問をしよう」と重ねて小沢氏を含む喚問実現を求めました。

 鳩山由紀夫首相の偽装献金事件も議論になり、笠井氏は「(首相の)秘書2人が起訴されている。小沢氏の疑惑とあわせて政権与党のトップ2人が同時にこういう事態をおこしたのは戦後政治史上かつてないことだ」と述べ、引き続き究明する立場を表明しました。

政党助成金廃止を訴え

 自民党の茂木敏充幹事長代理は、企業・団体献金をもらい続ける姿勢を示し、もっぱら今回の「政治とカネ」の問題を政治資金規正法逃れにあると主張。海江田氏は個人献金を増やすべきだなどと述べました。

 笠井氏は、企業・団体献金の禁止と政党助成金の廃止の重要性を強調し、「一方で企業・団体献金をもらい、他方で政党助成金ももらう。そういう政党に個人献金をしようと国民は思わない。私たちはどちらももらわず、個人献金と機関紙誌の収入でやっている。近代政党ではそういう道を歩むべきだ」と発言。

 海江田氏は「共産党は立派だ」と述べ、司会の島田敏男解説委員は「共産党以外の党が320億円の政党助成金を毎年分け合っている。(受け取らないのは)難しいというものを乗り越えてほしいというのが国民の期待ではないかと思う」とコメントしました。


小沢氏の疑惑 政倫審開催を

公明・社民など

 公明党の高木陽介幹事長代理は7日のNHK討論番組で、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金事件について「まず衆院政治倫理審査会を開いてほしい」と小沢氏が政倫審で説明すべきだとの立場を示しました。社民党の阿部知子政審会長も「政倫審で説明をしてもらうのが順番としていい」と理解を示しました。

 政倫審は、非公開で、疑惑をもたれた政治家が自ら弁明する場で、疑惑政治家の“みそぎの場”とも指摘されてきました。証人喚問とは異なり、発言が偽証罪に問われることもありません。

 民主党の海江田万里政治改革推進本部事務局長は同番組で「それ(政倫審)もあると思うが、本人が選ぶかどうかだ」と述べ、小沢氏の判断に委ねました。



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