2010年2月6日(土)「しんぶん赤旗」

高い飼料、食肉・乳価は低迷

畜産・酪農 先見えない

農水省審議会部会 生産者ら訴え


 農水省の「食料・農業・農村政策審議会」の畜産部会(部会長・鈴木宣弘東大大学院教授)が5日開かれ、2010年度の畜産・酪農政策価格と関連対策について審議しました。

 畜産・酪農の生産者は、飼料用輸入穀物価格の高止まりに加え、食肉・鶏卵や生乳などの畜産物価格が低迷しており厳しい経営となっています。

 臨時委員として出席した生産者は、中長期的安定対策を求めました。「先が見えない状況で命をたつ農家や廃業が出ている。長い期間での対策をお願いしたい」(養豚経営者の堀江光洋さん)、「製品になるには子牛から始めて2年半から3年はかかる。いま牛乳が余っているからといって牛を減らせば2、3年後はしぼれない」(北海道農協中央会の飛田稔章会長)などと訴えました。

 2月下旬に政府が決める価格としては、肉用子牛価格や牛や豚の枝肉価格が基準より低下したときに生産者も拠出する積立制度から補てんする制度があります。酪農ではバターや脱脂粉乳の加工乳価補てん制度、チーズ奨励金などがあります。

 JA全中(全国農業協同組合中央会)の冨士重夫専務は、「現行制度の充実が大切だ」とのべ、価格補てん基準や加工用乳価制度の改善、生産者拠出金負担の軽減が必要だと指摘しました。原料原産地表示の徹底をもとめました。

 農水省の郡司彰副大臣は、「農家戸別所得補償」本格実施に関連して畜産・酪農についても新たな経営安定対策について検討することを紹介しました。



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