2010年1月31日(日)「しんぶん赤旗」
新幹線架線切断の盲点
定期点検 発見できず
立ち往生した列車に多数の乗客が缶詰めになった東海道新幹線の架線切断トラブル。日本の大動脈が約3時間にわたって止まりました。なぜ事前の安全点検で異常を発見できなかったのか。原因の徹底究明が国、JR東海に迫られています。(宇野龍彦)
切れた架線は、吊(ちょう)架線につり下げられている、銅線をより合わせた構造の補助吊架線。25年前の1985年以降、交換されていませんでした。
JR東海によると、(1)切断した架線(2)破損した曲線引き金具(補助吊架線を固定する金具)(3)現場を通過した東京発名古屋行き「こだま659号」の車両の破損したパンタグラフ―のいずれも、直前の定期点検で異常が見つかっていませんでした。鉄道関係者からは、切断した補助吊架線や曲線引き金具が点検検査の盲点になっていなかったのかなど、「原因の究明が不可欠だ」という声があがっています。
架線は年1回、定期検査を実施することになっていますが、耐用年数は定められていません。
JR東海によると、電力を列車に供給するトロリ線は、2008年末に交換し、昨年11月に点検したばかりで、約10日に1回のペースで、試験電車「ドクターイエロー」が営業列車と同等の速度で走行しながら、レーザー光線を使用して行う摩耗の測定をしています。
今月27、28日の深夜に作業員がおこなった目視による架線の外観検査では異常はなかったといいます。
架線のうちトロリ線には自動的に異常を知らせる仕組みが組み込まれています。しかし補助吊架線にはこうした仕組みはありません。
補助吊架線はこだま659号の通過のさいに切断したと見られ、6両目と12両目にあるパンタグラフのうち、進行方向後方の12両目のものが破損。2日に1回程度の検査があるパンタグラフは、27日の点検で異常は見つかっていませんでした。
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