2010年1月31日(日)「しんぶん赤旗」

「事業仕分け」 命守る議論なし

真の無駄にメス入らず

特殊法人労連がシンポ


 特殊法人労連は30日、鳩山新政権が昨年末、予算編成に当たって大々的にとりくんだ「事業仕分け」が国民に何をもたらしたかを探るシンポジウム「鳩山政権の本質―事業仕分け・貧困・天下りを斬(き)る」を東京都内で開催し、70人が参加しました。

 岩井孝議長があいさつし、「事業仕分けには、国民の命、くらしを守る観点からの議論はなかった」と指摘し、国民の立場から検証を呼び掛けました。

 講演したジャーナリストの堤和馬氏は、事業仕分けは「官から民へ」「中央から地方へ」の名で「構造改革」路線を推進するものだと指摘。本当の無駄遣いにメスが入らず、公共サービスの切り捨てにつながると批判しました。

 各労組の代表が発言。「市場化テストされた登記事務で、一般競争入札が導入され労働条件が大幅に切り下げられ、非正規が激増した。専門的知識と経験を要する業務にもかかわらず質を保つことができない」(民事法務協会労組)「民間の営利目的の論理で研究や科学技術をはかることはなじまない」(日本原子力研究開発機構労組)と発言。また、「学生の奨学金を月12万円借りれば、卒業後800万円以上返済しないといけない。有利子から無利子にし、貸与制から給付制にすべきだ」(日本学生支援機構労組)など、民間任せでなく国の責任強化こそ必要だとの意見が相次ぎました。



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