2010年1月25日(月)「しんぶん赤旗」

「静音」ハイブリッド車

視覚障害者が危険体験

雪国北海道


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(写真)雪の山近くでHV車(左)の音を聞く人たち=24日、札幌市

 省エネを掲げて普及が進むハイブリッド車(HV車)は、「走行音が静か過ぎて、接触寸前になった」など、ヒヤリとする体験が後を絶ちません。改善を求める声が広がる中で、北海道視覚障害者協議会(道視協・江崎七雄会長)は24日、札幌市内で雪国特有の問題点を洗い出し、施策に反映させようと体験会を行いました。昨年11月に続き2回目。

 「耳をすませて聞いてください」と始まった体験会では、駐車場での発進時、交差点や路地での走行時などケース別に行いました。

 除雪された雪が道路端に背丈ほどになっている場合など、特に車の走行音が雪に吸収され聞きづらくなります。

 じっと耳をすます参加者たち。体験会を終えた後、「きょうは意識しているし、雪も解けているのでタイヤ音がして車が来たことが分かる。でも、新雪の朝は音が吸収され、後ろから来た車には気がつかないことがある」と不安を語りました。

 HV車や電気自動車の「静音性」が各国で問題化しています。日本では、国交省が昨年7月から対策検討委員会(鎌田実座長)で審議中。意見公募もすませ、何らかの音を義務付ける方向でほぼ合意、近く結論を出します。米国でも視覚障害者団体が昨年夏、危険性を減らす改善策を国と自動車メーカーに求めました。

 江崎会長は、「車の音に慣れてきて、突然に静音ということになると、すごい恐怖がある」と語りました。国交省に意見を出し、これから生産・販売されるHV車、電気自動車だけでなく、既に走っている車にも音をつけるよう求めています。

 全日本視覚障害者協議会が国交省に対策を要請。来月1日には、「手をつなごう全ての視覚障害者全国集会」代表と国交省の交渉が予定されています。


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