2010年1月22日(金)「しんぶん赤旗」

小沢氏・土地購入疑惑の焦点

原資はゼネコン裏金か

東京地検、あす本人聴取


 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部による小沢氏の事情聴取が23日にも行われる見通しとなりました。購入資金4億円の原資は何なのか、報告書の不記載にどう関与したのか、小沢氏自身の明確な説明が焦点になってきました。(「政治とカネ」取材班)


 疑惑の核心は、土地購入の原資は、ゼネコンからの裏献金ではないか、ということです。「しんぶん赤旗」は、小沢氏の地元、岩手県奥州市に建設中の国発注の「胆沢ダム」の下請け工事2件を受注した重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の元幹部が東京都内のホテルで、小沢氏側に紙袋に入れた現金1億円を5000万円ずつ2回にわたって渡したという、同建設関係者のリアルな証言を得ています。

 渡した時期は同社が受注した工事の入札が行われた後で、相手は、陸山会の事務担当だった民主党衆院議員の石川知裕容疑者(36)と、同会会計責任者だった公設第1秘書の大久保隆規容疑者(48)です。(図参照)

 1回目の石川容疑者への5000万円提供は、土地購入の直前でした。

 水谷建設とともに下請け工事を受注した中堅ゼネコン2社も特捜部の家宅捜索を受けました。「胆沢ダムは小沢ダムだ」といってはばからない小沢氏側が公共事業の発注に「天の声」を行使していた“見返り”にゼネコン・マネーが小沢氏側に流れ込み、土地購入の原資になったのでは―という疑惑の構図が浮かんできました。

 一方、石川容疑者は調べにたいし、「大久保秘書から購入前に、代金の4億円を小沢氏から借りることを提案された。2人で小沢氏に相談し、貸し付けを受けることの了承を得た」と説明していることが21日、関係者の話で分かりました。同容疑者は、4億円を借り入れた後、土地代金を支払うとともに、4億円で定期預金を組んで同額の融資を受けるなどの処理についても小沢氏に報告していたといいます。

 小沢氏の関与は濃厚です。なぜ、土地購入に必要な現金4億円があったのに、土地取引に利子払いの発生する預金を担保にした融資をわざわざ組み込んだのか、出所を隠すためではないのか―。この点の説明も必要です。

小沢氏側があすを希望

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部による小沢氏への任意の事情聴取が23日に行われることが21日、関係者の話で分かりました。弁護士を通じた日程調整の結果、小沢氏側が23日を希望しました。

 特捜部は土地購入に充てられた4億円の原資などについて、小沢氏に詳しい説明を求めます。

図

〈注〉本紙取材、各紙報道などで作成


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