2010年1月21日(木)「しんぶん赤旗」
小沢氏団体疑惑
鹿島人脈が浮上
元社員が下請け幹部
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、焦点の一つとなっている胆沢ダム(岩手県奥州市)の工事受注の際、ゼネコン最大手「鹿島」の元社員が下請け企業に名を連ねていることが20日、わかりました。「鹿島」は、東北地方における談合の“仕切り役”とされており、談合組織を解明する上でこうした人脈も注目されます。
胆沢ダム談合との関係は
鹿島がつくる特定JV(共同企業体)は胆沢ダムの「堤体盛立(第1期)工事」を193億8000万円で落札(2004年10月)しています。
東京地検特捜部は19日、中堅ゼネコン「宮本組」と同「山崎建設」を家宅捜索しました。両社とも重機土木大手「水谷建設」などでつくる5社のJVで、「鹿島」から下請け工事を受注しています。
こうした下請け5社のうち、「宮本組」の顧問に「鹿島」の元東北支店幹部が就任していました。さらに別の都内に本社を置く会社役員も「鹿島」出身でした。
この「鹿島」出身の役員は本紙に「何も話したくない」と取材を拒否しました。
下請け5社をめぐっては、その一つの「水谷建設」関係者が04年10月と05年4月に、小沢氏側に各5000万円ずつ、計1億円の献金を渡していたと、「しんぶん赤旗」に証言しています。
小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告の公判で、検察側は、「鹿島」と小沢事務所の密接な関係を詳述。小沢氏側から受注の了解を得たゼネコンを、「鹿島」の担当者が小沢事務所に確認。その上で、「鹿島」の担当者が談合を取りまとめる仕組みがあったとされます。
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