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2010年1月11日(月)「しんぶん赤旗」

学校耐震化予算を減

市町村計画の半分 2800棟先送り


 鳩山政権が編成した2010年度予算案では、学校耐震化の予算が大幅に縮減されました。市町村が来年度に予定していた耐震化計画の半分以下しか実施できない見通しで、影響は重大です。

 文部科学省の10年度予算案に盛り込まれた学校耐震化予算は1032億円(沖縄分は除く)、約2200棟分です。09年度当初予算と比べて19億円の減額。市町村からはすでに10年度実施分として、5000棟の耐震化計画が同省に上がっていましたが、うち2800棟は先送りを余儀なくされます。

 08年6月に、日本共産党も法案提案者に加わった学校耐震化促進法が国会で成立し、10年度までの3年間、震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高いとされる構造耐震指数(Is値)0・3未満の施設の耐震補強工事への国庫補助率を、2分の1から3分の2へ引き上げるなどの措置がとられました。10年度に工事が実施できずに先送りされると、この補助率かさ上げの特例措置が切れてしまいます。

 同省の調査では、全国の公立小中学校施設の耐震化率は67%(09年4月時点)で、耐震性がない、あるいは確認されていない施設が4万1000棟も残されています。その中にはIs値0・3未満の建物も7300棟以上あり、耐震化は喫緊の課題です。


解説

圧縮の上また縮減

 学校耐震化では、文科省は昨年8月の概算要求で、自治体から要望のあった5000棟に必要な額として、2775億円を計上していました。

 ところが、鳩山政権は、マニフェスト(政権公約)主要事項の高校授業料無償化以外は、文科予算を09年度当初予算よりも原則減額するよう指示。10月に出し直された概算要求では、1086億円に圧縮されました。

 さらに、政府の行政刷新会議が11月の「事業仕分け」で、学校耐震化を柱とする公立学校施設整備事業費を「縮減」と判定。これを受け、予算案では1032億円にまで抑え込まれました。

 文科省の担当者は「重要性にかんがみ、何とか増額を確保したかったのだが…」と話し、「真に緊急性の高い事業に限ってやっていくしかない」と語りました。(坂井希)



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