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2010年1月8日(金)「しんぶん赤旗」

軍政時の機密文書解禁

人権侵害の責任追及

アルゼンチン


 【メキシコ市=菅原啓】アルゼンチン政府は6日、軍事政権時代の国軍が不当逮捕、拷問、暗殺などの人権侵害に関与したことを示す機密文書を解禁するとの大統領令を発表しました。


 1976年から83年まで続いた軍事政権下では、政治弾圧による死者・行方不明者が約3万人(人権団体の推計)に達したとされています。これら人権弾圧事件の責任者を追及する動きが強まっていますが、これまでは国軍の公式文書が「国家機密」扱いとされていたことが真相解明を阻んできました。

 大統領令は、軍政時代に機密扱いとされた文書や情報は「民主国家の正当な利益を擁護するためのものではなく、逆に(軍事政権の)非合法な行動を隠ぺいする手段として役立ってきた」と指摘。英領フォークランド諸島の領有をめぐって発生した英国とのマルビナス戦争(1982年)など、外国との戦争や国家間関係の問題を除いて、軍政時代のすべての機密文書を解禁するとしています。

 今回の決定は、ブエノスアイレス州の州都ラプラタで、軍政時代の非合法収容所で発生した人権侵害事件を担当している判事の要請に応えたものです。

 フェルナンデス大統領は人権侵害の真相解明に力を入れており、昨年から今年にかけて、軍政を指揮したビデラ将軍ら大物軍関係者の裁判が相次いで開かれています。

 昨年12月11日には、公務で飛行中の大統領専用ヘリコプターの無線通信回線に何者かが侵入し妨害する事件が発生。犯人は「彼女を殺せ」と明らかに女性大統領のフェルナンデス氏を脅迫するメッセージを残していました。人権侵害の責任追及を進める大統領に不満をもつ軍関係者の仕業とみられています。

 アルゼンチン政府はこの事件を重視し、司法当局に厳重な捜査を指示。フェルナンデス大統領も人権侵害の真相解明を続けると改めて表明しています。


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