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2009年12月29日(火)「しんぶん赤旗」

「公設派遣村」始まる

入所200人「年越せる」

500人の枠超す見通し

東京


 「派遣切り」などで仕事も住居も奪われた人に宿泊と食事などを国と東京都が提供する「公設派遣村」(渋谷区、国立オリンピック記念青少年総合センター)の入所が28日、始まりました。この日だけで相談者が365人で、206人が入所(午後5時現在)。500人の入所枠を上回る見通しで、新たな対策が求められる事態になっています。


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(写真)入所手続きを済ませ公設派遣村へ向かうバスに乗り込む人たち=28日、東京都新宿区

 公設派遣村は、昨年のような年越し派遣村を必要としない対策を国と自治体に求めてきた運動で実現。当初は28日で受付終了の予定でしたが、それ以降もハローワーク新宿など都内6カ所で来月3日まで受け付けが続けられます。

 この日、受付窓口となった新宿区にある都の施設には朝から次々と入所希望者が訪れ、順次バスで公設派遣村に移動。なかには女性や夫婦もいました。

 男性(27)は、福島県の製菓工場に派遣されていましたが、工場が倒産。徒歩で上京し、食うや食わずの生活を続けてきました。「一時保護センターをすすめられたけど、年明けの1月12日まで満杯。ネットで調べてここへきました。何とか年を越せるけど、ハローワークにいっても仕事がなく不安でたまりません」

 テレビで公設派遣村を知ってやってきたという沖縄県出身で都内で働いていた男性(30)は「建設現場の寮を今朝、突然追い出された。給料日前で所持金は500円しかない。ここがないとどうなっていたか分からない」と話しました。

 昨年、年越し派遣村に取り組んだ「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(ワンストップの会、代表・宇都宮健児弁護士)はこの日、施設前で、生活再建に役立つ制度の活用方法などを紹介したパンフレットを配り、来訪者の相談などに乗りました。

 自治労連組合員の宮下藍さんは「通りかかった40代の女性が『住む家がなく転々としていて、公設派遣村があることを初めて知った』と言っていました。支援が必要な人に周知徹底が必要です」と強調しました。



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