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2009年12月21日(月)「しんぶん赤旗」

農産物暴落“年越せない”

米5キロ1000円、ミカン1個3円…

農民連 24日に「鬼の面」行動


 年の瀬をむかえ、農産物価格が軒並み生産費を大幅に下回る暴落となっています。「このままでは年を越せない」と、農民連(農民運動全国連合会、白石淳一会長)は怒りの「鬼の面」をつけ、24日(木)に東京都内で消費者に実態を訴える行動をします。農業生産を続ける対策を求め政党・議員への要請も計画しています。


 農民連の産直組織の「農民連ふるさとネットワーク」が調べた2009年産新米の販売価格は投げ売り状態となっています。通常は10キロ4000円以上のコシヒカリが2500円で売られ、5キロ1000円の米も登場する例もありました。

 同ネットワークで米部門を担当する農家は、「常識では考えられない低価格だ。米の在庫を抱える各県の全農(全国農協連合会)は、他の産地・銘柄をみてずるずると値下げをしている」と安売りの悪循環を心配します。

 稲作農家の手取り米価となる農協「仮渡金」は60キロ1万2000〜1万3000円が多くなっています。最終精算のさいにはさらに下がります。一方、政府の調査によると、中小企業の労賃が確保できる生産者米価は60キロ1万6000円以上となります。いまでさえ十分な米収入がない状態ですが、いっそう悪化します。

 この農家は、義務ではないミニマムアクセス(輸入機会の提供)の外国産米を12月までに40万トン輸入しながら国産米は16万トンの買い入れにとどまる政府の姿勢を批判。「政府は米の需給と価格の安定に責任をもち、米の政府備蓄として余剰米をさらに買い上げる必要がある」と訴えます。

 「ブロッコリー1個5円」「ミカン1個3円」「サツマイモ1箱20キロで300円」…。農民連のもとには常識をはずれた安値の情報が集まっています。収穫を放棄せざるを得ない状況になっています。一方、スーパー価格は生産者価格の2倍で販売されている例もありました。

 農民連の笹渡義夫事務局長は、「農産物価格の安値販売や暴落には、デフレ不況を口実にしてスーパーが買いたたく実態がある。“この値段で売りたいから納品せよ”と優越的地位を利用して業者から納品させている。不当な買いたたきを規制する必要がある。『価格は市場で決める』として何も対策をとらない政府に原因がある」と指摘します。


■農民連の要求事項

▽45万トンまでの備蓄米買い入れ、政府古米の売却中止

▽ミニマムアクセス米の輸入中止

▽リンゴ・ミカンの経営安定対策、果実の輸入規制、原産国表示を

▽輸入条件違反のアメリカ産牛肉の輸入中止

▽不当な買いたたきを規制せよ

▽農産物の価格保障を実施せよ

表


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