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2009年12月6日(日)「しんぶん赤旗」

普天間基地の無条件撤去を

国民的たたかいへ

パネリストに志位委員長、伊波宜野湾市長、仲山弁護士

沖縄でシンポ


 全国で力あわせて「基地のない沖縄」「基地のない日本」の実現を―。米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」問題で鳩山政権が迷走を深める中、同基地の無条件閉鎖・撤去を求めるシンポジウム「いま沖縄の米軍基地問題を考える」(主催・全国革新懇、沖縄革新懇、沖縄県統一連)が5日、宜野湾市内で開かれました。


写真

(写真)「いま沖縄の米軍基地問題を考える」と題して開かれた基地問題シンポジウム。発言する(左から)志位和夫委員長、仲山忠克弁護士、伊波洋一宜野湾市長=5日、沖縄県宜野湾市

 シンポには、沖縄県内外から、主催者が用意した座席を大幅に上回る630人が参加しました。

 パネリストとして伊波洋一・宜野湾市長、仲山忠克・反戦地主弁護団弁護士、日本共産党の志位和夫委員長が発言。上間明・西原町長、野国昌春・北谷町長、浜田京介・中城村長や沖縄県議会の高嶺善伸議長をはじめとする県議11人など、幅広い人々が出席し、基地のない沖縄実現への道を探求しました。

 シンポで伊波氏は、普天間基地を抱える宜野湾市の実態を告発。米国の安全基準上、居住が禁止されている「クリアゾーン」に3600人の市民が生活し、18の公共施設・学校・保育園が含まれている実態や、日本の航空法が適用されないことを説明すると、会場から驚きのどよめきがあがりました。伊波氏は普天間の「県内・県外移設」ではなく、グアムなど国外への移転を強く訴えました。

 仲山氏は、日本政府の混迷の根本にある普天間基地「移設論」について、(1)住民の土地を強奪してつくられた沖縄の米軍基地の違法性を継承することになる(2)日本国内の「基地負担平等論」をもたらし、国民の分断につながる―と指摘。普天間の危険性除去・無条件返還という原点に立ち返ることを第一歩として、「日本全国から海兵隊を撤退させよう」と訴えました。

 志位氏は、普天間基地の「県内移設」=新基地建設に対しては7割以上の県民が反対しており、「すでに破たんした路線」だと指摘しました。

 一方、鳩山由紀夫首相は、米側から強圧的な姿勢で新基地建設を求められると、普天間基地の「県外・国外移設」という公約すら後景に追いやり、辺野古も含む「移設先」探しを続けると言い始めています。志位氏はこの動揺の根本に、(1)「海兵隊は『抑止力』として必要」(2)「日米安保条約があるから」―という二つの呪縛(じゅばく)があると指摘しました。

 志位氏は、沖縄の海兵隊はベトナム、イラク、アフガニスタンへの派兵を繰り返しているように、その本質は日本の平和と安定のための「抑止力」ではなく、世界への殴りこみを任務とする「侵略力」だと力説。「非人道的な無差別殺りく部隊のための基地提供は、きっぱり拒否することが世界平和への貢献です」と話しました。

 「安保があるから」論については、安保解消が沖縄の基地問題解決の根本的な保障であると同時に、安保の是非を超えて団結することが重要だと力説。米国と軍事協定を結んでいるフィリピンなどでも基地撤去を実現させた例がいくらでもあると指摘しました。

 志位氏は、民主党政権がこの二つの考えを大本から改め、普天間基地の無条件撤去、「基地のない沖縄」にむけて本腰を入れた対米交渉を行うことを強く求めました。

 会場からの発言で米軍嘉手納基地を抱える嘉手納町基地渉外課長、北谷町長は「軍用機の離発着は年7万回を超える」「早朝の爆音に“いつまでこんな状態が続くんだ”と苦情が寄せられる」と深刻な被害の実態を告発しました。

 最後のまとめで志位氏は、普天間の問題は「沖縄問題ではなく、日本問題だ」と訴え、「安保改定50年となる来年の最大の国民的闘争として、全国あげて『基地のない沖縄』『基地のない日本』をめざそう」と呼びかけ、会場から大きな拍手がわき起こりました。



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