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2009年12月4日(金)「しんぶん赤旗」

「事業仕分け」

中小企業予算バッサリ 軍事費聖域


 軍事費は「聖域」扱いし、中小企業向け予算は軍事費削減の30倍前後にも大幅に削る―2010年度予算をめぐる鳩山政権の「事業仕分け」結果からは、同政権の姿勢がみえてきます。

 「事業仕分け」は、総額95兆円に膨れ上がった各省庁の10年度予算概算要求の「無駄を省く」として、政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)が実施しました。のべ9日間にわたる「仕分け」作業は、ネット中継され、関心を集めました。連日大きく報道した商業メディアには「予算の中身を国民に公開した」と持ち上げる論調が目立ちました。

 しかし、「仕分け」の結果を集計し、それを分野ごとに「仕分け」してみると、削減の矛先がどこへ向けられたかが分かります。本紙が、「仕分け」による削減額の概算要求額に占める割合を試算したところ、軍事費の削減率はわずか0・5〜0・7%でした。一方、経済産業省の中小企業予算の削減率は実に17・5%。軍事費の25倍から35倍の大幅な削減率となりました。農林水産省の食料安定供給予算も削減率8・6〜9・2%と大幅です。

 鳩山政権は、「事業仕分け」の結果を、年内編成をめざす来年度予算案に反映させるとしています。総選挙でのマニフェスト(政権公約)に掲げた事業は「仕分け」の対象外とし、軍事費などを「聖域」扱いしたまま、財源を生み出すためとして国民の暮らしや営業にかかわる予算を削減する―。こうした鳩山政権の姿勢を、世論と運動でただしていく必要があります。

グラフ


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