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2009年12月1日(火)「しんぶん赤旗」

プルトニウム撤去要求

目黒区議会が意見書

東京


 東京都目黒区にある防衛省の研究施設敷地内で37年間にわたって核物質のプルトニウムが保管されている問題で、目黒区議会は30日、一刻も早い撤去と、撤去完了まで一層の安全性確保に万全を期すことを求める、首相と防衛大臣あての意見書を全会一致で可決しました。

 保管されているのは32グラムのプルトニウム239。1986年に日本共産党の上田耕一郎参院議員(当時)の国会質問で明らかになりました。今年6月、現在も保管を続けていることを防衛省が認め、周辺住民に不安の声が広がっています。

 意見書は、首都圏直下型地震の可能性をあげ、「万一のことを考えた場合、そのような物質が身近にあるということは、区民にとって大きな不安」だと指摘。非核化を願って平和都市宣言を行った同区で保管されていることは「大変遺憾なこと」としています。

 意見書の可決は、同日に区議会本会議が採択した、住民からの陳情を受けたものです。陳情は、施設周辺一帯が、目黒区と渋谷区の住民10万人の広域避難所であり、近くに病院や学校、福祉施設があることなどをあげて、「安心・安全な暮らしのため一刻も早い撤去を願わずにはいられません」と訴えています。


防衛省研究施設のプルトニウム保管問題

 ■1972年 9月、旧防衛庁がプルトニウムを米国から購入。都の条例に定められた東京消防庁への届け出をしなかった。その後、中性子源として研究に利用。

 ■1986年 3月18日、参院予算委員会で日本共産党の上田耕一郎議員(当時)が、防衛庁がプルトニウムを使って核爆発を想定した核防護研究をおこなっていた問題を追及。防衛庁長官はプルトニウム保管について、(上田議員の調査開始後の)同月13日まで届け出なかったことを認め、謝罪した。

 ■2009年 6月9日、同敷地内の国際平和協力センター建設計画をめぐる住民説明会で、プルトニウムが現在も保管されていると判明し、住民の不安の声が広がる。11月24日、目黒区議会の企画総務委員会で、一刻も早い撤去を国に求める陳情を全会一致で採択。


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