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2009年11月30日(月)「しんぶん赤旗」

インド、COP15へ軟化

温暖化抑制 「署名も」

「先進国に責任」譲らず


 来月コペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を前に、温室効果ガス排出削減の義務付けには消極的だったインドが柔軟な姿勢を見せ始めています。COP15での交渉に向けた積極材料と受けとめられていますが、先進国の責任についてくぎを刺すことも忘れていません。(安川崇)


 「(温室効果ガス)排出削減と温暖化抑制のための野心的な目標に、インドは署名する意思がある。ただし、負担を分担する公正な枠組みが必要だ」

 インドのマンモハン・シン首相は27日、トリニダード・トバゴで開かれた英連邦首脳会議での演説でこう述べました。

 これまでインドは、地球温暖化を招いた先進国の責任を強調。途上国であるインドには今後も経済発展が必要だとして、排出削減の義務付けには抵抗してきました。

 しかし、同様の立場をとっていた中国が26日、国内総生産(GDP)あたりの二酸化炭素(CO2)排出量を2020年までに05年比で40〜45%削減するという目標を発表。インドのラメシュ環境相は同日、現地紙に「中国が警鐘を鳴らした。われわれは柔軟に考えるべきだ」と語りました。

 ただ、従来の姿勢をすべて撤回したわけではありません。シン首相は同じ演説で、「(途上国の)貧困を恒久化するやり方での気候変動対策は、長続きしない」とも指摘。枠組み条約に盛り込まれた「(先進国と途上国の)共通だが差異ある責任」の原則に沿った結論を重ねて求めています。

 ラメシュ環境相は28日、北京でCOP15の交渉に向けた途上国の「作戦会議」に出席。メディアに「われわれは責任ある国であり、実質的な目標を設定している」と述べました。会合には中印両国のほか、南アフリカとブラジルの代表が参加しています。



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