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2009年11月29日(日)「しんぶん赤旗」

ウルグアイ大統領選 きょう決選投票

左派与党ムヒカ氏優勢

失業・貧困減に信頼


 南米ウルグアイで29日、10月末に行われた大統領選挙の上位2候補による決選投票が行われます。最新の世論調査によると、共産党や社会党などでつくる与党「拡大戦線」のムヒカ上院議員が、7〜10ポイントの差をつけて保守野党・国民党のラカジェ元大統領を上回っています。(島田峰隆)


 第1回投票で、ムヒカ氏は47・96%を獲得したものの、過半数に届かなかったため決選投票にもつれこみました。ラカジェ氏の得票率は29・07%でした。

 ムヒカ氏は25日、北東部の都市メロで、選挙戦最終盤の大規模な集会を開きました。

 「拡大戦線は、与党としての5年間の経験を土台に、ウルグアイをいっそう成長させる。投資や雇用をもっと生み出したい」

 ムヒカ氏は、集会後の記者会見でこう述べ、2005年に発足したバスケス革新政権の経済政策を継承する決意を改めて語りました。

 バスケス政権は、独立以来180年続いた保守二大政党の支配を打ち破って誕生した同国初の左派政権です。同政権は、それまでの政権の新自由主義路線を転換し、貧困層向けの対策を強化してきました。

 同時に外国からの投資受け入れを重視して安定した経済成長を図り、失業率や貧困率を大幅に下げてきました。

 首都モンテビデオにある研究所の専門家は、「与党とその経済政策に対する信頼がこれほど高いときに国民の投票志向を変えるのは難しいだろう」とロイター通信に語り、ムヒカ氏の勝利が濃厚という見方を示しました。

 一方、ラカジェ氏は、第1回目投票で第3党となった別の保守野党、コロラド党と連携を強め、巻き返しを狙っています。

 同氏は大統領職にあった1990年代前半に、新自由主義路線を推進しました。今回の選挙戦では、新自由主義に対する国民の反発を前にして、「治安対策の強化」を最大の公約に押し出して支持を取り付けようとしています。


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