2009年11月23日(月)「しんぶん赤旗」
30年ぶりイラン訪問
クウェート首相 経済協力強化を確認
【カイロ=松本眞志】クウェートのナセル首相は21日、イランの首都テヘランを訪問し、同国のラヒミ第1副大統領と会談しました。クウェート首相の訪問は30年ぶり。ペルシャ湾内の大陸棚にあるアラシュ・ガス田の領有権をめぐる対立の解決を図ることで合意し、両国間の貿易促進と経済協力強化を確認しました。
ラヒミ氏は「イランは両国の関係強化にいかなる制約も設けず、あらゆる分野で交流を改善する用意がある」と発言。中東域内の米軍をはじめとする域外国の軍隊駐留が過去の歴史に照らして「決して有益でなかった」とも述べ、イランが湾岸諸国とともに域内の安全保障確立に貢献できると主張しました。
クウェートを含む湾岸諸国は、イスラム教の君主制国家。1979年にイランで王制を打倒したイスラム革命が起きた後、イランの影響力に神経をとがらせてきました。
一方、核問題で西側と対立するイランも、クウェートに2万人以上の米軍が駐留していることに対して警戒を強めていました。

