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2009年11月13日(金)「しんぶん赤旗」

看護師夜勤 過酷

2交代増 16時間超7割

医労連が調査


 看護師に長時間の2交代夜勤が広がり、3交代夜勤者の5人に1人が看護職員確保法・基本指針に抵触する「月9日以上の夜勤」をしている―。日本医労連(日本医療労働組合連合会、田中千恵子委員長)が12日発表した「2009年度夜勤実態調査」(中間報告)で明らかになりました。


 今年6月の勤務実績を対象に、日本医労連加盟組合のある病院・福祉施設等245施設の1519病棟で働く看護職員3万8137人を調査しました。

 病棟の夜勤形態は、3交代が81・6%、2交代が18・4%。2交代病棟のうち73・2%が「16時間以上」の長時間夜勤でした。

 「2交代」は年々増加傾向にあり、05年に比べて09年は10・1ポイント増えています(グラフ)。

 日本医労連では、患者の安全のためにも、長時間夜勤の抜本的な改善を求めていく、としています。

グラフ

夜勤 月9日以上が2割

疲労たまり回復できない

上限規制など法的保護を

 調査によると、2交代の看護職員の夜勤回数(1カ月)は、「4回以内」の人が67・8%。「5回以上」の人が3割を超え、最高は8回でした。

 3交代の看護職員の夜勤日数(1カ月)は、「8日以内」の人が82・4%。一方、看護職員確保法・基本指針に抵触する「9日以上」の人が2割近くいました。平均夜勤日数は7・37日、一番多い人は16日、夜勤をしていました。

 看護職員配置数は、3交代病棟は50床あたり平均27・2人、2交代病棟は同25・3人でした。

 この調査結果について、財団法人労働科学研究所慢性疲労研究センター長・主任研究員の佐々木司さんは、「長時間勤務である2交代夜勤が増えていることは問題だ」と指摘。勤務時間が12・5時間を超えるような看護師の長時間夜勤では、勤務中のエラーや帰宅途中の自動車事故が増えるという調査があることを紹介。蓄積した疲労を回復できなくなる問題や短時間勤務より時間的な融通がききにくくなる問題をあげ、「看護師の健康、生活にとって有害であるだけでなく、患者の安全にも影響を及ぼす」とのべました。

 田中委員長は、患者の高齢・重症化がすすみ、医療が高度化するなか、看護職員の労働と負担が厳しさを増していることをのべ、「患者の安全のためにも、看護職員の労働・生活・健康について抜本的な改善をはかることが必要だ」とのべました。「看護職員の業務改善と夜勤体制の見直しは国民的課題」と、当面、1回の夜勤時間の上限規制、一定の勤務間隔(12時間以上)の確保、常日勤労働者(週40時間)より短い労働時間(週32時間)の設定などの法的保護、代償措置を実現していくとのべました。



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