2009年11月7日(土)「しんぶん赤旗」
軍医、銃乱射13人死亡
米基地 イラク派遣近く予定
【ワシントン=西村央】米テキサス州にあるフォートフッド陸軍基地で5日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ、銃の乱射事件があり、兵士ら13人が死亡、30人が重軽傷を負いました。容疑者は精神衛生の軍医、ニダル・マリキ・ハサン陸軍少佐。近くイラクに派遣される予定でした。
同基地は兵士約5万人が所属する米軍最大規模の基地で、第3軍団の司令部が置かれています。ここからイラクやアフガニスタンに派兵されています。
乱射があったのは、戦地に派遣される兵士の手続きなどに使われる施設。事件当時は、戦地派遣で大学の卒業式に参加できない学生と家族のための卒業記念行事の最中でした。
容疑者は銃を乱射した後、基地内のスーパーに立てこもりました。軍部隊の狙撃で負傷し、病院で治療を受けています。
CNNテレビが陸軍当局者の話として伝えたところによると、「戦地派遣の計画があり、腹を立てていた」といいます。陸軍と米連邦捜査局が捜査にあたっています。
オバマ大統領は事件後、「恐ろしい暴力事件が起きた」と述べ、犠牲者への弔意を表明。「兵士が米国内の基地で銃弾にさらされるのは恐ろしいことだ」と事態を重視しています。

