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2009年11月6日(金)「しんぶん赤旗」

主張

米軍普天間基地

撤去求める声 政府は裏切るな


 沖縄県民に重大な犠牲を強いてきた米軍普天間基地の撤去をめぐり、鳩山由紀夫政権が総選挙での公約の立場をつらぬいて県民・国民の声に応え抜くかどうかが問われています。

 最近の世論調査でも、7割近くの県民が普天間基地の撤去を求め、アメリカが押し付ける名護市での新基地建設にも岡田克也外相が蒸し返している米軍嘉手納基地への統合にも反対しています。鳩山政権は県民の意思を踏まえ、普天間基地の撤去を求め、アメリカ政府と正面から交渉すべきです。

国民の不安と批判

 民主党は総選挙で、米軍再編や在日米軍のあり方について「見直しの方向で臨む」というマニフェスト(政権公約)を掲げました。代表の鳩山氏はテレビ討論で、普天間基地は「県外・国外移転が望ましい」と発言しました。

 にもかかわらずいま懸念されているのは、アメリカがゲーツ国防長官の来日などを機に新基地建設を条件とする圧力を強め、鳩山政権の中から公約に反する言動が相次いでいることです。首相自身、所信表明で再編の「見直し」とはいいませんでした。岡田外相は「県外は選択肢として考えられない」といい出し、現在でさえ騒音問題などが深刻な嘉手納基地への統合を持ち出しています。北沢俊美防衛相は名護市への新基地建設も公約に反しないといっています。

 4日の衆院予算委員会で日本共産党の笠井亮議員が、こうした一連の発言を公約に反すると追及したのは、国民の不安と批判に応えるうえで当然です。質問を視聴した国民から共感の声が相次いでいることにも、国民が鳩山政権の言動に不安を募らせていることが表れています。岡田外相は「公約はマニフェストで、選挙中の発言は公約とイコールではない」と発言しました。とうてい国民には通用しない開き直りの暴論です。

 鳩山首相は「気持ちは変わっていない」といいます。それなら、岡田外相や北沢防衛相の公約を踏みにじる言動を放置するのは無責任です。首相はまた、いろいろな「選択肢」を検討していると主張しました。しかし、出てきているのは新基地建設や嘉手納統合など沖縄県内で「たらいまわし」する案ばかりで、肝心の普天間基地を撤去し県民の負担を軽減する案ではありません。これでは公約をつらぬく態度ではありません。

 岡田外相は答弁に窮し「安保(条約)で共産党と見解が違う」とか、自ら民主党の代表時代「県外・国外移設」を主張したときとは、米軍再編の合意ができ状況が違うといい出しました。しかし、県民の意思は明確です。日米安保や日米合意をたてに、県民の意思を押しつぶすことは許されません。県民の意思を踏まえてアメリカと正面から交渉し、米軍再編の合意を撤回させてこそ、「見直し」の公約をつらぬいたことになります。

正面からの交渉こそ

 アメリカと普天間基地撤去を求める正面からの交渉を始める前から、安保があるから、合意があるからというのは、自公政権と変わらない対米追随の態度といわれても弁解の余地はありません。

 世界では国民の意思を背景に交渉で外国の基地を撤去した例が少なくありません。政府が本腰を入れて交渉しないなら、国民の応援も期待できないのは明らかです。



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