2009年11月5日(木)「しんぶん赤旗」
国公法弾圧 開示の隠し撮りビデオ
大がかりな私生活監視
事務所の出入り・知人との食事も
控訴審で弁護団証拠採用求める
国公法弾圧堀越事件の控訴審第12回公判が4日、東京高裁(中山隆夫裁判長)で行われました。弁護団は9月に開示が決定した警視庁公安部による隠し撮りビデオの証拠採用と取り調べを強く求めました。
同事件では、社会保険庁職員だった堀越明男さんが、休日に自宅近くで、「しんぶん赤旗」号外を配布したことが国家公務員法と人事院規則違反に問われています。
今回開示された22本の隠し撮りビデオは、一審時から存在が確認されながら、検察側が開示を拒んできたものです。
弁護団によると、開示テープのうち容疑とされたビラ配布が写っているのは4本のみ。容疑と無関係な日本共産党千代田地区委員会への出入りを撮影しているのが22本中11本。14本にまりこ勝彦党中央区議の事務所での出入りを撮り、大半がビラを持たない堀越さんを撮ったものでした。
知人と昼食する場面もあるなど、必要性や緊急性もなく、プライバシーを侵害するものでした。公安警察が車4台、11人を動員して大がかりな情報収集を行っていました。
意見陳述で、弁護側は、市民としての私的な政治活動までも刑事罰を科して禁止している国公法と人事院規則の問題に言及しました。
佐々木亮弁護士は「処罰すべき対象である行為を私生活まで範囲にすれば、必然的に私生活を丸裸にする捜査となる。本件を犯罪とすることが、憲法に反することは明らか」と指摘。「このような捜査を裁判所が追認すれば、国民はいつどこで撮影をされても文句が言えなくなる。このようなフリーパスを捜査機関に与えていいのかが問われている。裁判所は臆(おく)することなく、取り調べを」とのべ、証拠採用を求めました。
次回公判は、18日午前11時からです。