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2009年11月4日(水)「しんぶん赤旗」

大蔵省→研究情報基金→国際金融情報センター→東京金融先物取引所→

郵政新社長 斎藤氏は“渡り鳥”

民主「脱官僚」言うが…

次官退任後 天下り繰り返す


 鳩山由紀夫内閣が、元大蔵事務次官で、株式会社「東京金融取引所」社長だった斎藤次郎氏(73)を「日本郵政」の新社長に起用しました。これに「民主党の『脱官僚依存』は嘘(うそ)っぱちだ」「天下り容認じゃないか」といった声があがっています。鳩山首相は、「辞めてから民間で14年間経験がある」と釈明していますが―。(藤沢忠明)


 斎藤氏は、東大法学部卒業後、1959年、大蔵省(現財務省)に入省。官房長、主計局長などを経て、93年6月、官僚トップの次官にのぼりつめた人物です。

 95年5月、次官を退任した後、大蔵省の天下りポストを渡り歩きました。

 最初のポストは、同年6月に就任した社団法人「研究情報基金」理事長。同基金は、86年、大蔵省の肝いりで金融機関などがカネを出してつくった法人です。初代理事長は大蔵省銀行局長や財務官を歴任した吉田太郎一氏。代々の事務次官が、次官経験者にふさわしい天下りポストが空席になるまで“雨宿り”や、“腰掛け”とするための法人、と国会で取り上げられたこともあります。

 実際、斎藤氏の前に同基金理事長を務めた各次官経験者は、西垣昭氏が海外経済協力基金総裁、平沢貞昭氏が国民金融公庫総裁、保田博氏が日本輸出入銀行総裁と、それぞれ「わたり」をおこないました。

 斎藤氏も、95年には、大蔵省所管の財団法人「国際金融情報センター」の顧問となり、2000年5月には、東京金融先物取引所(04年に株式会社化、07年に東京金融取引所と改称)の理事長に就任、今回、日本郵政の社長となるまで9年間トップを務めました。

 同取引所は、89年4月、金融先物取引法にもとづき、主要金融機関の出資によって設立されたもので、大蔵官僚の典型的な天下りポスト。初代理事長は、研究情報基金の初代理事長で、アジア開発銀行総裁を経た吉田氏で、2代目も大蔵省理財局長退任後、国民金融公庫総裁、日銀副総裁を歴任した吉本宏氏。3代目、斎藤氏の後任として、専務から社長になった太田省三氏も元大蔵省印刷局長です。

 「14年民間」といいながら、斎藤氏は、ずっと旧大蔵省の天下りポストを渡り歩いてきた典型的な渡り鳥官僚です。

 一方、日本郵政の副社長には、財務省出身で内閣府官房副長官補を務めた前日本損害保険協会副会長の坂篤郎氏、元郵政事業庁長官の足立盛二郎氏が新たに就任しました。代表権のある社長、副社長の5人のうち、過半の3人が官僚ОB。鳩山政権の「脱官僚」の理念の実行ぶりはともかく、郵便・貯金・簡保などの郵政事業が国民の願いにこたえるものになるよう監視が必要です。



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